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 活力ある鹿児島づくり 2  行政・交通・情報

LAST UPDATE:Sunday, November 01, 2009

      

 3  鹿児島の行政   

  県財政

  鹿児島県は,全国に先駆けて高齢化が進行するとともに 過疎地域や離島が多く社会資本整備が立ち後れていることなどから財政需要が増大している。対して,県税収入は大幅な増加は期待できない厳しい財政状況にある。
 総務省データによると,鹿児島県の借金である地方債の住民1人当たり残高(05年度末時点)は,92万円で全国平均の62万円を30万円上まわる。一人当たり残高は,全国1844の市区町村(05年度末)と47都道府県が発行した地方債残高(返済を国が全額負担する一部の地方債分を除く)を,住民基本台帳人口で割って算出している。
 全国で最も多かった市町村が,鹿児島県の十島村。同村は,12の島が南北160`に点在する離島で人口は約600人。村の地方債残高は73億円で一人当たり残高は1152万4072円。調達した資金の多くは港湾整備に使われている。次に多いのは,三島村(1020万円)。 

・実質公債費比率 「18%以上」は16市町村−30市町村が悪化,県平均で16.9%

 鹿児島県2007年9月発表の県内49市町村の06年度(04−06年度の平均)実質公債費比率は,05年度(03−05年度の平均)に比べ30市町村が悪化。地方債発行に国,都道府県の許可が必要となる「18%以上」は大口市が新たに入り,前年度比1増の16市町村となった。県平均は16.9%で,05年度を0.4ポイント上回った。
 「18%以上」は大口市のほかに,枕崎,西之表,奄美,三島,十島,さつま,南大隅,中種子,屋久,大和,宇検,瀬戸内,徳之島,天城,知名。十島村は前年度に引き続き25%を超え,原則として一般単独事業の地方債は認められない。
 同比率18%以上の自治体は,7年間で比率を18%未満にする公債費負担適正化計画の策定を求められ,前年度に比べ比率が悪化した自治体は計画の修正が必要となる。
 県財政課によると,県の実質公債費比率は15.2%と05年度の15.9%よりも0.7ポイント下がった。
                             
  


・実質公債費比率は総務省が06年度から導入した新指標。公営企業なども含めた自治体の正味の借金の重さを示す。直近3年間の平均で算出し,数値が上がるほど借金の返済負担が重いことを表す。


2007年度 鹿児島県の財政−黄色信号
 鹿児島県は2007年度決算に基づき,「自治体財政健全化法」で導入された「実質赤字比率」,「連結実質赤字比率」,「実質公債費比率」,「将来負担比率」の4つの財政指標の数値を発表した。それによると,県財政課は「何とかやりくりしている状態。安全圏にあるとはいえない」としている。
 4つの指標は「早期健全化基準」はクリアしている。ただし,将来の負債を表す「将来負担比率」は269.6%と高い数値を示している。
 その内容は,県立病院などの公営企業会計と,県が出資する地方公社を含めた将来にわたる負担額は1兆9116億7000万円。内訳は地方債残高が1兆6486億7000万円(一般会計等16270億円,企業会計216億7000万円)で全体の86.24%を占め,一般会計等で負担することになる職員約2万6000人分の退職手当見込み額が2402億2000万円。住宅供給公社をはじめ3つの公社への損失補償など負担見込み額が123億7000万円である。
 この数値は,「将来負担比率」は早期健全化基準の4000%内ではあるが,他県と比べると高いレベルにあり,安全圏とは言い切れない。
 一般会計等の赤字の割合を示す「実質赤字比率」は,歳入総額から歳出総額と翌年度繰り越し財源を差し引いた実質収支は,32億6000万円の黒字。ただし,基金127億円を取り崩して黒字を確保しているのが実状である。



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平成17年観光客の動向」:鹿児島県調査
鹿児島市観光未来戦略」:鹿児島市策定
観光白書」:国土交通省 平成9年版〜平成19年版
鹿児島史跡探偵団」:幕末明治維新を中心とした鹿児島史跡紹介サイト
鹿児島情報リンク:市内観光施設リンク


平川動物公園の整備計画
  =オランウータン放し飼い,カバ間近に観察/多様な見せ方提案

 鹿児島市の平川動物公園の入園者が07年10月上旬,2千万人を突破する見込みだ。開園35周年での達成は,年平均約57万人のペース。一方,ここ数年は40万人台前半で減少傾向が目立つ。今後大規模な再整備が計画されている同園。行動展示など,新たな魅力づくりで入園者増を目指す。

 同園は,1972(昭和47)年に鴨池動物園が移転して開園。有料・無料を合わせた入園者は同年度後半だけで約52万人,73年度は約77万人と,開園直後の人気を見せた。84年にはコアラを公開し,85年度は約90万人のピークを記録。しかし徐々に減少し,04年度から3年間は約44万人に半減した。
 入園者減の理由に挙げられるのが,施設の老朽化や展示方法のマンネリ化。オオカミなどを展示している小動物舎は,コンクリート造りで飼育面積が狭く悪臭も漂う。

 そこで見せる展示,楽しめる展示で入園者を増やそうと,市は07年4月,再整備基本計画をまとめた。基本計画では敷地面積約31ヘクタール中,約6ヘクタールでの再整備を想定。園の現状をテーマ性が薄く,展示の見せ方が単調と分析した上で,オランウータンを自然林で放し飼いにするなど動物本来の能力を見せる行動展示や,園路の急傾斜の解消などを盛り込んだ。展示物の生息地の自然景観を再現する「生息地域」,同種や類似種を集め比較する「動物種」,動物との触れ合いの仕組みなどを集中させる「環境教育」の3ゾーンへの再編する。動物本来の能力を見せる行動展示や,見せ方の工夫,園路の急傾斜解消などを盛り込んでいる。09年度から順次着工の予定である。
 
 同園は「子どもはもちろん,大人も楽しめる動物園にすることでリピーターを増やしたい。年間60万人ぐらい来てもらえれば」と,魅力ある動物園づくりに取り組む。                  
         出典:南日本新聞 07/01/13

4 情報化の現状

1−1 家庭,産業,教育分野で,ブロードバンド化が,全国で最も遅れた地域

 05(平成17)年版「情報通信白書」によると,日本のインターネット利用者数は,04年末には7948万人(対前年比2.88%増)が利用していると推計され,人口普及率は62.3%である。ブロードバンド(FTTH,DSL,ケーブルインターネット,無線〈FWAなど〉)契約数は1866万契約となり,前年比で36.5%の増加である。
 なお,情報通信白書(資料編 資料1-5-3 都道府県別情報化指標)によると,鹿児島県のブロードバンド普及率は,ブロードバンド契約数世帯比が10.4%と全国平均27.6%の半分にも満たず最下位である。また,情報通信業の有業者の割合では,全国平均2.7%に対し,鹿児島県は0.7%と全国最下位にある。さらに,学校(初等中等教育機関)の高速インターネット接続率も全国最下位の37.0%である。

 この原因としては,@離島や山間部など条件不利地域の多さ,A農業従事者が多い産業構造,B高い高齢化率などが考えられる。ただし,鹿児島県より離島が多い沖縄県は18.3%,長崎県は17.7%と,全国平均の27.6%には及ばないものの,鹿児島県よりブロードバンド化は進んでいる。また,農業産出額全国1位で,農業従事者が多い北海道も17.5%と鹿児島県よりもブロードバンド化が進んでいる。高齢化率が鹿児島県とほぼ同じ東北地方の青森県16.8%,山陰地方鳥取県20.4%など,各県と比べても鹿児島県のブロードバンド化の遅れは目立つ。特に,鹿児島県のブロードバンド契約世帯数比10.4%と,学校の高速インターネット接続率37.0%は他都道府県と比べて著しく低い。こうした家庭・産業・教育,それぞれの分野でのブロードバンド化の遅れが互いにマイナスの影響を及ぼし合い,情報化の後進性に陥っているのではなかろうか。

 2005(平成17)年度情報通信白書:総務省
 情報通信白書:総務省

・FTTH:Fiber To The Homeの略。各家庭まで光ファイバケーブルを敷設することで,数10〜最大100Mbps程度の超高速インターネットアクセスが可能。
・DSL:Digital Subscriber Lineの略。デジタル加入者回線。電話用のメタリックケーブルにモデム等を設置することにより,高速のデジタルデータ伝送を可能とする方式の総称。

・離島地域における情報化の状況

 総務省九州総合通信局の,2003年7月調査による,鹿児島県離島地域の情報通信インフラの現状は,以下のとおり。
・ ISDN接続サービスは,ほぼ全島カバ一
・ ADSL接続サービスは,名瀬市,徳之島町,西之表市のみである
・ 専用線サービスは,利用者のニーズにより電気通信事業者が対応
・ 地域公共ネットワークの整備率は,41.4%で全国平均(52.3%)を下回っている
・ ケーブルテレビは,5自治体が整備
・ 本土と離島間を結ぶ光ケーブルは,鹿児島県の本土から沖縄の間において主要23島のうち9島に端局を置いてループ化されている

   鹿児島県離島地域における情報化推進に関する調査報告について


4 道路・交通事情

 96年に交通市場全般における需給調整規制が撤廃され,00年貸し切りバスと海運業,02年には路線バスの規制緩和が始まった。参入,路線廃止ともに,許可制から届け出制に変更。路線廃止の場合もバス事業者は,6カ月前に自治体に通告すれば,地域協議会での審議後,廃止が可能となった。
 規制緩和から7年。いびつな構造となったバス事業に,全国各地で手探りの状況が続く。その影響を真っ先に受けるのは,高齢者と遠距離通学の高校生である。交通インフラとしてのバス事業の再構築が求められている。

○鹿児島県の廃止代替路線への補助
 2004年度  6732万円
 2005年度  6066
 2006年度  7274
 2007年度  7277
 2008年度 2億6248万円

 国は乗客数など一定の条件を満たしているバス路線に対して毎年度,赤字補てんを行っている。国交省によると,2007年度に「生活交通路線維持費」として計約65億7600万円が拠出され,このうち鹿児島は3億9020万円で,北海道(10億9924万円)に次いで2番目に多い。赤字路線の廃止はさらに増えると見られており,今後,自治体の負担が増えるのは必至だ。
 県は今年度,県内7地域にバス対策協議会を設立し,事業者と,利用促進策や,赤字路線の取り扱い,地域交通の効率化などについての協議を始めた。
 国は乗客数など一定の条件を満たしているバス路線に対して毎年度,赤字補てんを行っている。国交省によると,2007年度に「生活交通路線維持費」として計約65億7600万円が拠出され,このうち鹿児島は3億9020万円で,北海道(10億9924万円)に次いで2番目に多い。
 県も,同維持費として国と同額を拠出しているほか,単独でも,自治体などが民間の廃止路線を引き継いだ「代替バス」への補助を続けている。08年度の代替バスへの補助金の総額は、前年度の約3.6倍の2億6248万円である。県は,今後県単独のバス補助制度を見直す方針を県内自治体担当者に明らかにした。従来の廃止路線代替バスに対する赤字補てんは要件を厳格化し,乗客ゼロで運行するような系統への補助を打ち切る一方,従来の大型バスより効率的なコミュニティーバスなど,住民ニーズに見合った輸送システムへの転換には新たな補助制度で支援する。

 新制度は従来の廃止路線代替バスから,コミュニティーバスや乗り合いタクシーなど車両小型化を進めた場合や,申し込みがあるときだけ運行する「デマンド型システム」を導入した場合が対象となる。具体的には,市町村が行うニーズ把握のためのアンケート調査や,車両購入,施設整備などの初期投資に補助金を出す。
試算では現在補助対象となっている134系統のうち,24系統が対象外となる。
    (出典 南日本新聞 07年8月24日 読売新聞  08年6月19日)

4−1 岩崎グループの赤字バス路線廃止


・問題の背景・経緯
 地域の交通手段として利用されてきた路線バス。だが利用者の減少が続き,全国で不採算などの理由で近年,で700路線以上が廃止されるなど岐路に立たされている。路線の減少に拍車をかけたのは,規制綬和の一環として02(平成14)年2月に施行された改正道路運送法。バス事業が「免許制」から「許可制」に移行し,路線の休止や廃止が容易になったことで不採算路線からの撤退が加速した。

 県内でも,2006年,岩崎グループ(鹿児島市)は208路線323系統の赤字バスを一気に廃止する計画を打ち出し県内に衝撃が走った。そのうち,鹿児島市に関係する廃止バスは74系統であった。
 岩崎グループの赤字バス廃止問題で,鹿児島県教育委員会が全日制の全県立高校78校を対象の調査によると,37校で在校生が通学に利用する系統が廃止対象に含まれ,うち11校は代替手段がない。鹿児島県教育委員会の05年5月のまとめによると,県立高校生3万7044人中バス通学生は7375人だった。

・現状
 岩崎グループの赤字バス路線廃止に伴い04年11月,関係市町が事業主体となって運行を始めた代バスの輸送実績は,前年同期の6割弱にとどまる。運行事業者や県によると,代替バスやコミュニティバス,乗り合いタクシー計131系統の,04年11月8日から3月末まで5カ月間の輸送人員合計は約57,6000人。前年同期は約100人の実績がある。11月以降,連行回数や順路が前年度と変わった系統もあり,単純比較はできないがおよそ58%に落ち込んでいる。
  県交通政策課は従来のバス離れの傾向に加え,存廃問題の混乱による客離れや周知不足の可能性を指摘している。県交通政策課は従来のバス離れの傾向に加え,存廃問題の混乱による客離れや周知不足の可能性を指摘した。また,同課は市町の赤字負担を補助する県単補助制度について「県財政も厳しく,将来的には見直しもありうる。危機感を持ち,十分な利用促進策を図ってほしい」と呼びかけている。
   (出典 南日本新聞 07年6月)

 国は乗客数など一定の条件を満たしているバス路線に対して毎年度,赤字補てんを行っている。国交省によると,2007年度に「生活交通路線維持費」として計約65億7600万円が拠出され,このうち鹿児島は3億9020万円で,北海道(10億9924万円)に次いで2番目に多い。

 県も,同維持費として国と同額を拠出しているほか,単独でも,自治体などが民間の廃止路線を引き継いだ「代替バス」への補助を続けている。08年度の代替バスへの補助金の総額は,前年度の約3.6倍の2億6248万円である。県は,今後県単独のバス補助制度を見直す方針を県内自治体担当者に明らかにした。従来の廃止路線代替バスに対する赤字補てんは要件を厳格化し,乗客ゼロで運行するような系統への補助を打ち切る一方,従来の大型バスより効率的なコミュニティーバスなど,住民ニーズに見合った輸送システムへの転換には新たな補助制度で支援する。
 新制度は従来の廃止路線代替バスから,コミュニティーバスや乗り合いタクシーなど車両小型化を進めた場合や,申し込みがあるときだけ運行する「デマンド型システム」を導入した場合が対象となる。具体的には,市町村が行うニーズ把握のためのアンケート調査や,車両購入,施設整備などの初期投資に補助金を出す。
 試算では現在補助対象となっている134系統のうち,24系統が対象外となる。
    (出典 南日本新聞 07年8月24日   読売新聞  08年6月19日)

4−2 九州新幹線鹿児島ルート開通の影響

  2004年3月,九州新幹線鹿児島ルート鹿児島中央駅〜新八代駅間の部分開業で,鹿児島中央駅と博多駅間を最短2時間10分と,従来の特急つばめと比べ,1時間30分の短縮となった。博多駅まで全線が開通すると,所要時間は1時間20分となり,福岡市が鹿児島市の2時間圏内となる。福岡市にヒト・モノ・カネが吸い寄せられる「ストロー現象」が起きる契機になるとも懸念されている。

 JR九州の集計によると,一部開業から丸4年を迎えた九州新幹線(鹿児島中央−新八代)は,4年目の1日平均利用者数が前年比2.7%増の9412人。年間利用者数は344万5000人。
  1日平均利用者は一部開業1年目が8846人(年間322万9000人)。2年目は9228人(同336万8000人)と伸ばしたが,3年目は大雨による運休の影響もあって9165人(同334万5000人)とやや減少していた。

  なお,鹿児島地域経済研究所「九州新幹線の県内への経済波及効果」(05年発表)によると,九州新幹線新八代〜鹿児島中央間開業に伴う鹿児島県への経済効果は年間165.77億円,県外での消費増加額(ストロー効果)は48.4億円と試算している。

九州新幹線 博多‐熊本「15分に1本」 JR九州社長 運行計画初の表明
 JR九州の石原進社長は,九州経済フォーラム主催の「福岡・熊本交流懇談会」で,2011年春に全線開通する九州新幹線鹿児島ルートについて,博多‐熊本間は15分に1本程度運行させる方針を明らかにした。JR九州が全線開通後の運行計画を表明するのは初めて。
 鹿児島ルートのうち,部分開通している新八代‐鹿児島中央間は30分に1本の割合で運行中で,乗客数は1日平均約9000人。全線開通後の博多‐熊本間は最速で35分に縮まる。需要について石原社長は「(在来線の2倍となる)1日平均約3万人」との見通しを示した。なお,ダイヤの正式発表は2010年12月ごろを予定。
 相互乗り入れについては,JR九州と既に導入車両の検討に入っているJR西日本の山崎正夫社長が7月「年内に最終結論を出す」ことを表明。九州新幹線からの乗り入れ本数は1時間に1,2本になる見込み。
         (出典: 西日本新聞朝刊  南日本新聞朝刊 07/09/07)

・大阪−鹿児島間 4時間で直通 
 JR九州とJR西日本の合意により,2011年春に鹿児島から新大阪まで直通運転でつながることが決まった。新大阪-鹿児島中央を約4時間,新大阪-熊本を約3時間で結ぶ。なお,東京委-新大阪間を運行する東海道新幹線との直通は見送られた。鹿児島県内の関係者からは「関西や中国地方が近くなり,交流人口の増大が見込める」など経済効果を期待する声も出ているという。
        (出典: 産経新聞朝刊   07/10/14)

・鹿児島中央駅を現在の1・5倍に増改築
 JR九州は,九州新幹線の全線開業を3年後に控え,鹿児島中央駅の魅力を高めるべく,08年10月に鹿児島中央駅を現在の延べ床面積は現在の8400平方メートルから1万3000平方メートルと1.5倍に増改築する工事に着工する。完成は10年春で,工事費は約20億円。
 JR九州は「駅の東西が一体となったにぎわいを作り出し,鹿児島の陸の玄関口としてふさわしい駅にしたい」としている。

肥薩おれんじ鉄道(本社 熊本県八代市 ・ 営業区間 川内−八代) 
 新幹線の鹿児島中央・新八代間の開業に伴い,川内〜八代間は,JR九州から経営分離し,第三セクター鉄道会社「肥薩おれんじ鉄道株式会社」が運営を引き継いだ。出資者は熊本県,鹿児島県と沿線10市町,JR貨物である。事業種別は第一種鉄道事業,営業区間は八代ー川内(新八代ー隈乃城乗り出し)全長116.9キロ,27駅,内燃・電気(交流2万V)である。
 車窓からは沿線の産物であるオレンジ色をした柑橘類の果物や鮮やかな海の青さに彩られた海岸線を望め,特に夕日の眺めはすばらしい。
  
 肥薩オレンジ鉄道は,料金の3割アップ,人件費2億1500万円をJR九州が補てんしているが,07年9月末で累積赤字が5億円を超えるなど経営難が続いている。
 実質初年度(04年度)の輸送人員は188万1千人で,2005年度は約5.8%減の177万1千人。同社は落ち込みの理由として,@JRとの乗り継ぎの不便さ,A従来の特急がなくなったことなど利便性の低下や新幹線への移行,B南九州西回り自動車道の整備などをあげている。
 県交通政策課の試算によると,主な利用者である高校生の減少傾向が続くことなどから,利用者数は06年度の約169万人が11年度には約20%減の135万人に落ち込むと予測している。

 経営改善策として,JR鹿児島中央駅と熊本駅への土日祝日限定の乗り入れを08年3月15日から始めた。両県の県庁所在地への乗り入れは,赤字経営が続く同鉄道にとって利用客増への起爆剤として期待されている。


・2006年3月期決算 
 05年度の減価償却前赤字5千6百万円。そのうち,約9割にあたる5千万円が,鹿児島県側で発生。数年後にも予想される内部留保金の枯渇後は,鹿児島県側が赤字の大半を負担することとなりそうだ。
 05年度の輸送人員は鹿児島県側が89万4千人,熊本県側87万7千人。輸送人員では鹿児島側が上回っているものの,割引率の高い通通学定期が8割近くを占るため赤字額がふくらんだ。

2007年3月期決算 
 07年3月期の減価償却前損益は,前期の5千6百万円の赤字から,1億7800万円に拡大した。純損失は前期比6千9百万円増の2億円。営業収益は公共事業受託による収入増で前期比7千7百万円増の9億円だったが,県北部暴雨による災害復旧経費などがふくらんだ。

九州新幹線部分開業に伴う第 3 回影響度調査 :日銀鹿児島支店




4−3 鹿児島空港

 鹿児島空港は,県内中央部溝辺町にあり総面積約183万平方キロメートル,3,000mの滑走路を備える。年間利用者数600万人(名古屋空港に次いで全国7位)と,福岡に次ぐた九州で二番目の旅客数を有する空港である。 
 07年9月1日,スカイネットアジア航空(SNA,宮崎市)が鹿児島―羽田線を就航させた。ここれに合わせて宮崎―羽田線,熊本―羽田線など既存の路線の便数も変更し,全社の収益性向上を狙う。
 2006年春までは現在の全日本空輸と日本航空の2社に加え,新興のスカイマークも運航していた。だが,同年4月にスカイマークが同路線から撤退し,全日空,日航の2社体制となっていた。

 鹿児島―大阪(伊丹)には現在,日本航空(JAL・JEX),全日空(ANA),日本エアコミューター(JAC)が11往復運航。約1時間10分でつなぐ。

 なお,鹿児島空港のターミナルは90年代前半に,将来の利用者数が800万人に増加することを見込んで拡張されたもので,九州新幹線対策を一歩間違えば宝の持ち腐れになる可能性もある。


・九州の主な空港利用者数2003年度( )内は前年度比
1位:福岡空港    1682万3700人
2位:鹿児島空港   600万5500人
3位:宮崎空港     310万7400人
4位:熊本空港    303万6400人(+4.1%)
※熊本空港は1971年の開業以来,初の300万人突破
※前年度比がプラスなのは,熊本と北九州空港(+6.7%)のみ

4−4 自動車保有台数

 鹿児島県の自動車の保有台数は約115万台(1999年3月未)で,増加傾向にある。内訳は,乗用が47.8%,貨物用が11.2%,軽自動車37.0%である。この数字は,全国と比べ,軽自動車の占める割合が高い。
  また,1世帯当たりの自動車保有台数は160台と,全国平均(157台)とほぼ同じである。新規登録台数は1990年〜1996年は,年間約8〜9万台であったが,1997年度以降は7万台強に減じた。


軽が普通追い抜く
 鹿児島県内で06年に登録・届け出された新車のうち,半数以上を排気量660∝以下の軽自動車が占めたことが軽自動車検査協会鹿児島事務所などの集計で分かった。原油高騰にも後押しされた県内の軽人気が鮮明になった。
 同事務所によると,06年の軽自動車の新車台数は前年比1・4%増の3万7284台。一方,鹿児島運輸支局によると,軽を除く普通車(3ナンバーなど)と小型車(5ナンバーなど),大型特殊の新車合計は6・3%減の3万6346台。05年は2千台余り少なかった軽が,約9百台の差で逆転した。
 原油高騰の影響も受け,維持費が比較的安い軽の人気は全国的に高まっている。それでも日本自動車販売協会連合会の統計によると,集計方決に多少違いはあるものの,全国の新車に占める軽の割合は06年で約35%にとどまる。
 県内ディーラーなどによると,鹿児島で特に人気が高い理由として@公共交通機関が少なくセカンドカーとして購入する人が多いA農業県で軽トラックが多いB軽を好む女性の比率が高い−などが考えられるという。


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