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鹿児島未来戦略 現状分析−6

LAST UPDATE:Tuesday, April 21, 2009

      

 6 観光  


 

 九州を訪れる外国人観光客の大半は韓国と台湾からの旅行者である。中国については,日本政府が2000年に中国人団体観光客の受入れを解禁(それまでは友人・親族訪問等のみ)して以降,巨大市場である中国に向けられる期待は大きい。九州では,長崎県が人気の高い首都圏や北海道,韓国と連携して「周遊コース」を商品化するなど中国からの観光客誘致に積極的に取り組んでいる。

 鹿児島県は,九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を見据え,概ね今後5年間のPR活動の指針として,07年に「かごしまPR基本戦略」を策定した。県策定の「かごしま新観光戦略21」では,10年の外国人宿泊観光客20万人を目標に掲げているが,05年実績は,は8万3000人にとどまり,目標の半分にも満たなかった。また,1994年に完成した維新館は1996年に16万人余の入館者を記録したが,近年は12万人台で推移している。

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かごしまPR基本戦略」:鹿児島県策定  
   ロッテキャンプの受け入れ拒否:日程の縮小で−鹿児島市
平成17年観光客の動向」:鹿児島県調査
鹿児島市観光未来戦略」:鹿児島市策定
観光白書」:国土交通省 平成9年版〜平成19年版
鹿児島史跡探偵団」:幕末明治維新を中心とした鹿児島史跡紹介サイト
鹿児島情報リンク:市内観光施設リンク

・2006年度観光白書−−夏季宿泊客数(06年6-8月) 全九州でも北海道以下 
 日本の観光の現状をまとめた06年度観光白書(国土交通省)の,夏季(06年6-8月)の都道府県別宿泊客数の調査結果によると,九州では福岡県は238万人で全国8位,九州7県では計791万人であった。この数字は,北海道の808万人に及ばず,観光客誘致で低迷する九州の姿が鮮明になった。

 調査によると,全国の宿泊客総数は7760万人。都道府県別ではトップが東京(868万人)。次いで北海道,千葉(380万人),大阪(376万人)の順。九州内では福岡に次いで大分(120万人),熊本(119万人),長崎(108万人),鹿児島(103万人),宮崎(61万人),佐賀(42万人)と,鹿児島県は低位にある。

 また,各都道府県の宿泊客に占める外国人の割合は東京20%,東京ディズニーリゾートがある千葉12%に対し,九州7県は9‐1%と,外国人誘致も厳しい状況にある。

 今回の調査では,国交省が全国の従業員10人以上のホテル,旅館など計1万109施設にアンケート調査を実施し,回収率67.8%。
 

鹿児島市の観光客数
 鹿児島市への2005(平成17)年の宿泊観光客総数は,前年比で2千人(前年比0.1%)増加と,1975(昭和50)年以降では最高の254万1千人(前年比0.1%増)である。    

区分
2004年
2005
増減数
前年比
県外
4,418千人
4,320千人
△98
97.8%
県内
4,276千人
4,264千人
△12
99.7%
合計
8,694千人
8,584千人
△110
98.7%

                 出典:鹿児島市統計データ

平川動物公園の整備計画
  =オランウータン放し飼い,カバ間近に観察/多様な見せ方提案

 鹿児島市の平川動物公園の入園者が07年10月上旬,2千万人を突破する見込みだ。開園35周年での達成は,年平均約57万人のペース。一方,ここ数年は40万人台前半で減少傾向が目立つ。今後大規模な再整備が計画されている同園。行動展示など,新たな魅力づくりで入園者増を目指す。

 同園は,1972(昭和47)年に鴨池動物園が移転して開園。有料・無料を合わせた入園者は同年度後半だけで約52万人,73年度は約77万人と,開園直後の人気を見せた。84年にはコアラを公開し,85年度は約90万人のピークを記録。しかし徐々に減少し,04年度から3年間は約44万人に半減した。
 入園者減の理由に挙げられるのが,施設の老朽化や展示方法のマンネリ化。オオカミなどを展示している小動物舎は,コンクリート造りで飼育面積が狭く悪臭も漂う。

 そこで見せる展示,楽しめる展示で入園者を増やそうと,市は07年4月,再整備基本計画をまとめた。
 基本計画では敷地面積約31ヘクタール中,約6ヘクタールでの再整備を想定。園の現状をテーマ性が薄く,展示の見せ方が単調と分析した上で,オランウータンを自然林で放し飼いにするなど動物本来の能力を見せる行動展示や,園路の急傾斜の解消などを盛り込んだ。展示物の生息地の自然景観を再現する「生息地域」,同種や類似種を集め比較する「動物種」,動物との触れ合いの仕組みなどを集中させる「環境教育」の3ゾーンへの再編する。動物本来の能力を見せる行動展示や,見せ方の工夫,園路の急傾斜解消などを盛り込んでいる。09年度から順次着工の予定だ。
 
 同園は「子どもはもちろん,大人も楽しめる動物園にすることでリピーターを増やしたい。年間60万人ぐらい来てもらえれば」と,魅力ある動物園づくりに取り組む。

                           出典:南日本新聞 07/01/13

温泉
 九州の温泉は,源泉数が多く湯量が豊富である。都道府県別では源泉総数のトップが,大分県で 4,968 ( 04 年 3 月末現在)。 また,源泉総数は1位の大分に続き,2位・鹿児島,3位・静岡,4位・北海道,5位・熊本の順。湧出量は1位・北海道,2位・大分,3位・鹿児島,4位・青森,5位・熊本と九州の3県が上位5 位以内に入っている。(03 年 3 月末現在の都道府県別データによる)


ホテル事情
 鹿児島市内でのホテルの急増ぶりは目覚ましい。鹿児島地域経済研究所によると,00年以降に開業したホテルは8棟,客室数(増室分を含む)は計1062室にも及ぶ。うち6棟は天文館とJR鹿児島中央駅周辺だ。中央大手の攻勢が目立ち,価格やサービス競争に拍車がかかっている。



いわさきグループ−観光事業から撤退

 路線バスや高速船をはじめとする交通事業,ホテル運営などの観光事業などを手がけている岩崎グループ(鹿児島市)は,観光事業から2,3年かけて撤退する意向という。同社首脳は,「主要ビジネスの観光からの撤退は疑問に思われるかもしれないが,国外を含めた有力な事業者に譲ることで,鹿児島の観光をよりPRでき,そのベースを岩崎がつくった方が得策」とし,好条件での事業売却先を探す考えという。
 これに関連して,保有するいわさきホテル・ザビエル450,指宿いわさきホテル,霧島いわさきホテル,種子島いわさきホテル,屋久島いわさきホテルの5つのホテルの営業譲渡,指宿と種子島のゴルフ場も売却も検討中だという。
 いわさきグループ−観光事業から撤退(南日本新聞 02年2月2日)
  岩崎グループ    

いわさきコーポ,鹿児島―屋久島に定期貨物船就航へ
 いわさきコーポレーションは,07年12月から鹿児島―屋久島間に直航の定期貨物船を就航させると発表した。同時に鹿児島―種子島・屋久島間で運航している高速船も値下げする。鹿児島―屋久島間には,8月に民事再生法適用を申請した折田汽船(鹿児島市)が「フェリー屋久島2」を運航しているが,いわさき側は料金を1割程度安く設定。また,昨年12月にをコスモラインが鹿児島―種子島間の運賃を値下げして以降,いわさきのシェアが急落していることから,高速船「トッピー」の運賃を鹿児島―種子島間の往復で8100円と,競合するコスモライン(鹿児島市)の「ロケット」と同額にする。

・参考−熊本県の観光

 観光客総数  61,196,900人 日帰り客数 54,772,200人  宿泊客数  6,424,600人

  熊本県への2005(1月から12月まで)年の観光客総数は,649,900人減の61,196,900 人(対前年比1.1%減)である。内訳は,日帰り客が585,500人減の54,772,200 人(対前年比1.1%減),宿泊客も64,400人減の6,424,600人(対前年比 1.0%減)である。 外国人旅行者数については,総数は18,101人増の552,034人,日帰り客数は5,104 人増の370,025人,宿泊客数は12,997人増の182,009人となった。国・地域別では,多い順に1位韓国,2位台湾,3位アメリカ合衆国となっている。阿蘇には,約1900万人を超える観光客が訪れている。 

・参考−宮崎県の観光 


・参考−大分県の観光 
 06年観光白書によると,夏季宿泊客数(06年6‐8月)は,九州では福岡に次いで大分県は第2位の120万人。観光白書は,大分県を例に宿泊客増加に伴う経済効果を試算している。日帰り客を宿泊客に転換して宿泊客を4%増やし,日帰り客1人当たりの消費額を10%増やした場合,経済効果は344億円,雇用誘発効果は2400人とした。その実現には(1)滞在型,体験型観光の推進(2)温泉や特産品を生かした土産品の開発‐などが肝要と指摘している。


・参考−沖縄県の観光
 沖縄県は,亜熱帯・海洋性気候風土の下,美しい自然景観,独特な伝統文化や歴史等の魅力的な観光資源を有する。1972(昭和47)年の本土復帰以降,観光客数が約12倍に達するなど,観光・リゾート産業は成長を遂げた。
 近年,美ら海水族館(02年11月)や国立劇場おきなわ(04年1月),沖縄型特定免税店の空港外店舗(平成16年12月)等の観光関連施設の開業が相次いだこともあり,観光客数は02年以降,4年連続で過去最高を更新しており,05年は550万人を超えた。


 沖縄の観光収入,4000億円を突破−−2006年
 沖縄県の発表によると,06年の観光収入(確定値)は,前年比3.0%増の4104億800万円。過去最高を更新し初めて4000億円を突破した。観光客1人当たりの県内消費額は同0.5%増の約7万2800円だった。
 消費の内訳は,飲食費や娯楽費は伸びているものの,宿泊費の次に出費額が多い土産費が前年比5.5%減った。


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