5 農業
6 鹿児島の農林水産業
県土918,662ha(1998年)の約3分の2を森林が占める。次いで,農用地(146%),その他(116%)等に利用されている。01 年度の鹿児島県の総. 農家数は 95880 戸で全国比で3.1%(7 位)。また,鹿児島県の農業粗生産額は,4048 億円で全国比 4.4%(4 位)である。.
上位5都道府県の産出額と構成比
◆ 鹿児島農林漁業の特徴
鹿児島県の農業は,温暖な気候,土壌が開聞岳をはじめとする火山の噴出物を母材とする,畑作に適した火山灰土といった特性を生かしての畑作,畜産,園芸が農業の中心となっている。 農業粗生産額では畜産が5割以上を占める。
林業については,林産物生産は素材生産が最も多く,たけのこや生しいたけ等の特用林産物の生産も比較的多い。しかし,林産物の生産額は1985年に比べ半分近くまで減少している。
水産業については,漁獲高は伸びているが,漁業就業者数及び漁船隻数は減少傾向 にある。また,生産の内訳を見ると,海面養殖及び内水面養殖をあわせると,全体の約3分の2となっている。
鹿児島県の姿 農業 林業 水産業:農林水産省HP
2005(平成17)年 鹿児島県の農業産出額(概算):鹿児島農政事務所
数字で見る農林水産業:九州農政局鹿児島農政事務所統計部
JA鹿児島経済連 農産物のご紹介
6-1 2006(平成18)年 鹿児島県の農業産出額(概算)
鹿児島県の06年農業生産額は,北海道に続き,4079億円で全国第2位。特に,牛,豚,鶏の産出額は全国第1位である。この他,ウナギ,茶,いも類など,生産量で全国上位を占める農水産品は数多くあります。あまり知られていませんが,養殖マグロ国内生産量3530トン(06年)の6割近くを鹿児島県(2000トン)が占めます。ミネラルウォーター生産数量102543klで全国第6位(シェア5.3% 07年)です。
生産量が日本一の物産を,以下に示す。
・「養殖ウナギ」:ウナギというと静岡・浜松が有名であるが,養殖ウナギの生産量は鹿児島県が日本一
04(平成14)年の「うなぎ」の国内収穫量(農林水産省漁業・養殖業生産統計)の全国に占める割合をみると,鹿児島県(38.9%),愛知県(28.7%),宮崎県(13.5%),静岡県(9.2%)の順です。
・「カツオブシ」:枕崎市が日本一。
・「甘藷(さつまいも)」:年間算出量約40万トン,年間産出額約150億円
・「豚」:シェア13.6%,03年で飼養頭数が日本一
・「竹材」:16,309ha,シェア27.5%,01年で生産量
・「ブロイラー」:シェア16.9%,03年で飼養羽数が日本一
・「ソラマメ」「キヌサヤエンドウ」「砂丘ラッキョウ」:生産量で日本一
6-2 畜産
・エービーフーズ,鹿児島産黒豚ハムを増産し全国展開へ
食品商社のエービーフーズシステム(北九州市,清水学社長)は鹿児島産黒豚を原料にしたハムなどこだわりを前面に出し全国展開する。関東・関西の大手百貨店と組みギフト商品として展開するほか,外食店向けに納入を始める。 07年,鹿児島県内のハム・ソーセージ製造のクスダハム工房の経営を譲り受け,日置市にハムやソーセージ・ベーコンの1日の生産能力3トンの工場を建設した。3年後には業務用製品が主力の設備を約800平方メートル増設,日産能力を10トンに引き上げる計画という。
6-3 鹿児島茶−−
◆07年 荒茶生産量は前年産に比べ3%減少
かごしま茶は生産量の拡大に加え,ブランド確立と販路拡大が課題である。07(平成19)年2月九州農政局鹿児島農政事務所統計部発表によると,
摘採実面積(収穫面積)は7,750haで,前年産に比べ60ha(対前年比1%)増加。 また,摘採延べ面積は2万6,000haで,前年産に比べて500ha(同2%)増加した。これは,高齢化や労働力不足による廃園が一部でみられたものの,主産地である頴娃町,知覧町において規模拡大が図られたためである。
生葉収穫量は11万4,500tで,前年産に比べ2,100t(同2%)減少,茶生産量は2万3,300tで,前年比で600t(同3%)減少である。これを茶種別にみると,普通せん茶は,一番茶,三番茶,四番茶は減少したものの,二番茶が増加したことから前年産並みとなり,番茶は,価格の低下により生葉収穫量が減少したことから,前年産に比べ480t(9%)減少した。
◆08年 市場取扱量は1万7702トン(前年比4%増)と過去最高を更新
鹿児島県茶市場での08年産荒茶取引は,市場取扱量は1万7702トン(前年比4%増)と4年ぶりに過去最高を更新した。一方でキロ平均単価は1076円(同14%安)と低迷し,市場規模を示す取引金額は前年より20億円減の190億円台にとどまっている。
茶期別の平均単価は,取扱量の6割を占める一,二番茶の値下がりが大きく,それぞれ2026円(前年比13%安),845円(同18%安)と30年前の水準に落ち込んだ。
これに対し,下級茶が主体の三,四番茶は551円(同4%安),秋冬番茶も356円(同3%高)と安定した相場展開となった。取扱量は各茶期とも前年を上回り,特に三,四番茶は10%を超える大幅増を記録した。
地区別取扱量(一〜四番茶)は主産地の川辺,指宿で10%前後増えるなど7地区で増加。平均単価は鹿児島,熊毛を除く9地区で前年より19−9%下落した。
平成18年産 茶生産量(鹿児島県):九州農政局鹿児島農政事務所統計部
鹿児島県茶業生産協会
茶の生産日本一 静岡県
鹿児島県茶市場取扱数量・金額
取扱数量(t) |
取扱金額(千万円) |
||||
---|---|---|---|---|---|
県内
|
県外
|
県内
|
県外
|
||
1975年 | 4,820 | 1,113 | 435 | 137 | |
1980年 | 6,078 | 1,286 | 766 | 243 | |
1985年 | 6,923 | 914 | 932 | 165 | |
1991年 | 8,187 | 849 | 1,293 | 139 | |
1993年 | 9,404 | 693 | 1,600 | 180 | |
1995年 | 9,669 | 986 | 1,650 | 223 | |
1996年 | 11,032 | 1,299 | 2,087 | 309 | |
1997年 | 11,397 | 981 | 1,808 | 190 | |
1998年 | 10,158 | 903 | 1,437 | 165 | |
1999年 | 11,641 | 697 | 2,149 | 169 | |
2000年 | 12,087 | 1,182 | 1,864 | 196 | |
2001年 | 12,745 | 635 | 1,751 | 129 | |
2002年 | 11,768 | 805 | 1,576 | 117 | |
2003年 | 13,969 | 856 | 1,910 | 133 | |
2004年 | 17,688 | 1,052 | 2,532 | 173 |
6-4 鹿児島の水
鹿児島が 「水生産県」 として山梨,兵庫,静岡県に続き全国第6位(128,826kl,シェア7.2%)である。日本銀行鹿児島支店のリポートによると,06年の県ミネラルウオーターの出荷金額は101億9000万円と,02年に比べ90%以上の増と試算している。
鹿児島の自然豊かな山とシラス土壌が,地下水の貯留槽としての役割を果たし,良質の水をはぐくんでいる。その鹿児島の水が全国的には,認知度の低い理由は,富士や六甲など名峰を持つ県が大手メーカーの積極販売で出荷増を続けているのに対し,鹿児島県のメーカーは県内の中小企業によるところの宣伝不足にある。
なお,世界的な食品審査会 「モンドセレクション」 で,07年鹿児島の水「「樵のわけ前」(株式会社桜島)が最高金賞を受賞している。受賞のポイントは, 「超軟水」 であること,そして,味の豊かさにあるという。
日本ミネラルウォーター協会:ミネラルウォーター都道府県別生産量の推移
飲料総研 :清涼飲料市場に関する月刊誌刊行
6−5 花き・花木
鹿児島県では,温暖な気象条件のもと,奄美,南薩地域を中心に,キク,ユリ,グラジオラスの切花等を中心に生産が行われている。04(平成16)年度の花き・花木(芝を除く)の作付面積は,1,983ヘクタール,生産額は220億円である。品目別にはグラジオラス,スプレーギクの切花,ユリ・フリージアの球根生産が全国1位,観葉植物が全国2位である。
6−6 県内JA
グリーン鹿児島,鹿児島中央,かごしま,東部,いぶすき,南さつま,さつま日置,さつま川内,さつま,鹿児島いずみ,伊佐,あいら,そお鹿児島,あおぞら,鹿児島きもつき,肝付吾平町,種子屋久,あまみ
93年 | 98年 | 99年 | 00年 | 01年 | 02年 | 03年 | 04年 | 05年 | 06年 | 07年 | 08年 | |
42
|
31
|
31
|
29
|
29
|
28
|
28
|
28
|
28 |
18
|
18
|
18
|
6−7 漁業
農林水産省「第11次漁業センサス」,「平成16年海面漁業生産統計調査」によると,鹿児島県の漁業世帯数は, 7,070 世帯 。その内訳は,個人漁業経営体 4,606 世帯 ,漁業従事者世帯 2,464 世帯 である。漁業就業者数 8,748 人 (男子 7,581 人 女子 1,167 人 )である。
九州農政局鹿児島農政事務所統計部発表の,鹿児島県の06(平成18)年海面漁業・養殖業生産統計(概数)によると,生産量は16万197トンで,前年に比べ5.3%減少。
海面養殖業のうちブリ類(カンパチを含む)の収穫量は5万7983トンで,前年を2.6%下回ったが14年連続で日本一。カンパチ(2万9941トン,2.5%減)も統計を取り始めた02年から続く日本一となった。
海面漁業の漁獲量は6.9%減の9万8052トン。漁業種類別では,「釣り」が6.3%増,「小型底引き網」が3.8%増えたが,他は前年を下回った。魚種別ではイカ類が前年比31.1%増と大幅に伸びたが,マグロ類(24.6%減),イワシ類(6.5%減),サバ類(12.3%減),カツオ類(25.9%減)となった。
海面養殖業の収穫量は2.7%減の6万2145トン。のり類(6.5%増)やヒラメ(5%増),奄美でマグロへの切り替えが進んだマダイは49.7%減。
平成18年海面漁業・養殖業生産統計(概数)鹿児島県:九州農政局鹿児島農政事務所統計部
グラフと統計でみる農林水産業−水産業データ
・ライバル県の動向
全国の農業産出額は8兆8,067億円で,北海道の1兆663億円,鹿児島県の4,168億円,茨城県の4,162億円,千葉県4,161億円の順に続く。
・千葉県−−首都圏の台所
千葉県の農業産出額2005(平成17)年は4,161億円で,全国第4位。 野菜の産出額は1,653億円と,全国第1位である。なお,米は765億円,畜産は1,024億円となっている。
農産品で全国1位の品目は,ねぎ,かぶ,えだまめ,しゅんぎく,だいこん,にんじん,さといも,さやいんげん,しろうり,パセリ,なばな,ほうれんそう,葉たまねぎ,落花生,なし,マッシュルーム,きんぎょそう,ストック,きんせんか,ペチュニア,水仙,サンダーソニア,アイリス,フリージア。
6−8 かごしま農業・農村ビジョン21
21世紀における鹿児島県の農業・農村の活性化を図っていくため,「かごしま農業・農村ビジョン21」が2001年に策定されている。 本ビジョンは@豊かな生活を創る農畜産物の生産,A「安心・安全な食の供給,B農を育む人と土地の構築,C農の発展を支える技術と支援,D新しい農村社会の創造を基本目標とし,「食の創造拠点かごしま」の形成を目指すこととしている。
▼鹿児島銀行も農業へのシフトを強める
鹿児島銀行は,農業の安全,自給率への懸念から農業は今後の成長分野だとして,農業産業への支援拡大を表明している。 2009年度から3年間の中期経営計画によると,農業関連分野への融資を3割以上増やすなどして、鹿児島、宮崎両県の法人への融資を最終年度の11年度に1兆円台に乗せることを目指す。
同行は,景気低迷で製造業の経営が揺らいでいるからという一時しのぎの短期的な農業支援ではなく,農業を育てるという長期的展望に基づくもので,地域に根ざす農畜産業の育成・発展,ひいては南九州地域経済の活性化を目指す,としている。
◆鹿児島銀行の新中期経営計画
鹿児島銀行発表の2009年度から3年間の中期経営計画によると,農業関連分野への融資を3割以上増やすなどして、鹿児島、宮崎両県の法人への融資を最終年度の11年度に1兆円台に乗せる。厳しい経済状況やシステム開発の費用を考慮し、純利益の目標は08年3月期とほぼ同じ90億円に抑えた。
計画では、農業・医療・環境を成長分野と想定。11年度末の融資残高について農業関連分野は3割増の855億円(08年度末見込み比225億円増)、医療関連分野は1600億円(同160億円増)との目標を掲げた。同行の地盤である鹿児島、宮崎両県の法人への融資は3年間で700億円増やす。
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「かごしまPR基本戦略」:鹿児島県策定
ロッテキャンプの受け入れ拒否:日程の縮小で−鹿児島市
「平成17年観光客の動向」:鹿児島県調査
「鹿児島市観光未来戦略」:鹿児島市策定
「観光白書」:国土交通省 平成9年版〜平成19年版
「鹿児島史跡探偵団」:幕末明治維新を中心とした鹿児島史跡紹介サイト
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