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身の丈を強みとする経営 |
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閉塞感漂う時勢ではありますが,堅実経営を貫き,長期にわたり成長を維持している小売業も多数存在します。こうした企業を凝視すると,ある共通性が浮かんできます。それは,性急な業容拡大は弊害が多いとして,堅実な発展を目指して,自らの分を知り,ライバルの動きに惑わされることなく,マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を貫いている点です。
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「身の丈」を強みとする経営』では,このような経営姿勢を「身の丈経営」と称して,縮小の時代の小売業経営のあり方を考察しています。なお,「身の丈経営」とは,石橋を叩いても渡らないといった消極経営や縮み志向の経営ではありません。現状に満足することなく常に革新にとり組む経営を指します。具体的には,顧客の囲い込みによる安定基盤の確立,そして持続的発展の原動力は需要創造にあります。
「身の丈経営」の要諦は,時代の流れを見定め,自らの市場ポジションと強みと魅力を生かしての事業展開にあります。こうした視点から「戦略」を描くと,いま何をすべきかが自然と浮き彫りになります。
なお,縮小の時代という市場構造の転換期にあっては,旧来の成功概念を捨て,時代を先読みしていくことが必要とも説かれています。主に小売業界における「成功事例や既成事実」に固執することなく事業展開を図る事例を取り上げます。
いまモノが売れないのは、不景気価格が高くてお客様が買えないからではなく、そのモノに対するニーズがなくなってしまったためと捉え,対策を考えるべきです。安くするのではなく、ニーズが薄れた既存の商品やサービスに代わる新しい価値のあるものを提供していくことが必要です。そのためには,成功体験にとらわれることなく,発想を豊かにして新しいことに挑戦していくことで活路が開かれます。
たとえ安売り,あるいはサービス合戦と言った同質化競争で勝者になったとしても,ライバルの反抗もあり,競争優位の持続は望めません。また,安売りでシェアを奪い取っても,市場全体の需要は増えません。市場の縮小を加速させるだけです。そこで,自らの強み・魅力,すなわち身の丈を生かしての考える経営が求められるのです。
「身の丈」を強みとする経営」
−消費も市場も縮むなか,長期にわたり高収益を持続する小売業もある。キーワードは「がんばらない」「革新」「時代対応」そして「人材育成」である。店の大型化や安売り・値下げを競う体力勝負の消耗戦からいち早く抜け出した個性派企業の“考える経営”に学ぶ生き残り戦略。 |
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■ ケーススタディ−「身の丈」経営の実践事例と,「身の丈」を踏み外した失敗事例を事例分析しています。
ケーズホールディングス | 無理することなく堅実経営を貫き,地道に存在地位を高めている企業の筆頭。 いけいけドンドンの拡大主義で猛進するヤマダ電機とは対照的に,自らの身の程,身の丈を意識し,無理することなく堅実経営を貫き,地道に存在地位を高めている企業の筆頭に,家電の「ケーズホールディングス」があげられます。 | ||
会社更生手続き中のバイオ企業,林原(岡山市)は8月3日,化学品商社の長瀬産業とスポンサー契約を結んだ。長瀬産業は再建中の林原グループ3社に対し,総額700億円の資金支援を実施する。 | |||
高田社長によると,ジャパネットたかた成長の秘訣は,決して無理をしない。背伸びをしない。自分たちのペースを守って,実な成長を心がけてきたことにあるということ。無理に背伸びをすると,急成長の歪みが生じてしまい,サービスの質が低下し、お客さまに迷惑をかけるととなる,というわけである。 | |||
◆絶えざる革新−婦人向けを中心とする衣料品専門店チェーンのしまむら 婦人向けを中心とする衣料専門店チェーン「しまむら」の店舗運営システムの特徴として,@圧倒的な小商圏で成立し,他社に真似できない店舗運営システムの確立。A物流の善し悪しは店舗の運営と業績大きな影響を与えるとし,まず物流センターを自社で建設してから地域集中出店するという,自前物流によるバックアップがあげられる。 |
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歌手・浜崎あゆみが「日本一の男前」と称したカリスマ女性社長,元俳優,押尾学の薬物事件では,舞台となった東京・六本木ヒルズの部屋の所有者として,名前が取りざたされたこともあるピーチ・ジョンの野口美佳社長が退任した。 華麗な経歴を持つ野口氏であるが,6月10日,業績不振から社長の座を退りた。ワコールの発表によると,ピーチ・ジョンの「売上高は117億1100万円で、受注が減少した事やヒット商品が生まれず2年連続で前年を下回った。氏に何があったのであろうか |
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安愚楽牧場 | 安愚楽牧場は1981年に設立。現在は全国40ヵ所に直営牧場と338ヵ所の委託牧場で14万頭以上の黒毛和牛を飼育している。 「オーナー制度」は和牛を出産・飼育するための出資を募り,生まれた子牛を買い取る。その子牛の買い取り価格から諸費用を差し引いた金額がオーナーに「金利(子牛予定売却利益金)」として渡される。その「金利」は年に5%から7%ほどで銀行預金に比べれば高利回りであることから人気を得てきた。 一般的なファンドの場合,投資先を複数にすることでリスク分散させながら事業の持続と利益を追求するが,安愚楽牧場の「和牛預託商法」の場合は投資が牛のみ。2001年には国内でBSEが発症したほか,続いて伝染病の口蹄疫,最近では生食による死亡事故,そして原発事故に至った。 しかも,ここ10年間来牛肉価格の下落が続いて,市場も縮小している。こうした中で,なぜ安愚楽牧場は生き残りオーナー達に配当金が支払うことができたのか,という疑問がわく。 同社は経営悪化の原因は原発事故でのセシウム問題としているが,それは経営悪化を発表する口実でありきっかけにすぎずないのではあるまいか。内情はかなり前から悪かったとも,推察される。 つまり,自身の「身の丈」を超えた経営が,経営破綻の真の原因ではあるまいか。 |
■ 【書籍のご案内・book】
第1章 「身の丈」経営 |
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2011.09.01up
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