「内部統制」とは
日本版SOX法
俗称「日本版SOX法」は,証券取引法の抜本改正である「金融商品取引法」の一部規定がこれに該当します,
この法律では第24条の4の4で「有価証券報告書を提出しなければならない会社のうち、金融商品取引所に上場している有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは、事業年度ごとに、当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した報告書(内部統制報告書)を有価証券報告書と併せて内閣総理大臣に提出しなければならないこととする。また、内部統制報告書には、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならないこととする」と定めています。
▼日本版SOX法の目的−企業の不正防止,そして証券市場の正常化とその維持
日本版SOX法は、企業の不正防止,そして証券市場の正常化とその維持」を目的としています。その手段として、「内部統制(internal control
)」という概念を取り入れています。
▼内部統制
「内部統制」の解釈、意味は非常に広範囲に及びます。内部統制という言葉は、英語の‘Internal Control”という言葉からきています。「内部」ですから、企業の内部に限定しているということ,すなわち、経営者、取締役、内部監査人、従業員などを対象とします。外部の監査機関や外部監査人などは含まれません。
「統制(コントロール)」とは,『ばらばらに分かれた物事をひとつにまとめて治めること』『一定の計画に従って制限・指導を行うこと』、という意味です。
統制を実施するには、あらかじめ設定された目的・目標が必要です。目的というひとつの方向に向かって進むのには,命令、指令、抑制、規制、管理といったマネジメントの仕組みが有効です。
こうした点から,「内部統制」とは,目的を達成するために,企業の経営者、取締役会、従業員、業務プロセス、資産など、「企業全体を管理する方法」と言い換えることができます。
なお,米国の内部監査人協会の内部統制の定義では、「設定された目的と目標が達成される可能性を高めるために、経営者によってとられているあらゆる行動」としています。
2 内部報告に関わる内部統制の評価と報告
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