ブログ 「流通のいま」:  日経文庫−ビジュアル 流通の基本 (日経文庫)      

食品スーパー

          

“スーパー”は,スーパーマーケットの略称です。食料品を中心とした食品スーパー,衣食住を総合的に品ぞろえした総合スーパーの2つに大別されます。経済産業省の区分では,衣料品スーパーを加え3業態に分類しています。

米国のチェーンストアを手本に,1950年代に誕生したスーパーは,おりからの高度経済成長の波に乗り,「大量販売」の旗手として,成長をとげました。スーパーは,衣食住全般の生活必需品を総合的に取り扱う総合ーパー,衣料品中心の衣料品スーパー,食料品を主体とし,日用雑貨取り扱う通称食品スーパーの3つの形態に分化・成長を遂げました。
 なお,1972年に,三越百貨店を抜き小売業年間売上高第一位となったダイエーは,以来28年間首位にありました。だが,2000年にコンビニエンスストアのセブン-イレブン・ジャパンに首位の座を明け渡しました。          

 いまスーパー業界は,消費低迷下の低価格販売の常態化,少子高齢化と人口減少,IT革新とグローバル化の進展といった社会構造の変化に加え大型店の出店規制,ホームセンター,大手専門量販店など他業態との競争激化といった状況のもとで,新たな経営のあり方を模索しています。
 
  最新の商業統計2007(平成19年)度版によると,スーパーの市場規模(年間売上高)は,22兆6800億円・店舗数約5万8千店です。なお,コンビニの市場規模(年間売上高)は,約6兆9000億円・店舗数は約4万3000店,デパートの市場規模は約7兆6000億円です。

 日本チェーンストア協会発表の2009年の全国スーパー売上高は,店舗調整済みの既存店ベースで前年比4.3%減の12兆8349億円と,1988年以来21年ぶりに13兆円を割り込みました。
 これは,景気低迷による消費者の節約志向が高まったことに加え,値引き販売の激化による売り上げの縮小,また衣料品や住居関連商品でユニクロやニトリなどの“勝ち組”専門店に顧客が流出したことが原因としてあげられます。
 品目別では,主力の食料品が既存店ベースで5.4%減。年前半までは、家庭で食事をとる「内食回帰」を追い風に堅調だったが、年後半以降、消費者の買い控えが顕在化。度重なるセールで単価も下落しています。衣料品は2.2%減、住関連も5.0%減でした。
 厳しい環境を受け,各社は店舗閉鎖などリストラを加速する一方、ディスカウント店や超小型スーパーといった業態転換などを図っています。

 

■ 家庭の“冷蔵庫代わり”  

     

 1950年代に誕生したスーパーマーケットは,大型店志向の企業は総合スーパーと呼ばれ全国展開を果たしました。一方,生鮮食品を軸に食品主体の品揃えという,米国スーパーマーケットの様式を忠実に取り入れ,家庭の食材提供に的を絞った店は,食品スーパーと呼ばれ今日に至りました。
 人口減少で食品市場も縮小傾向にある中,食品スーパーの経営破綻も相次ぎ,積極出店に乗り出すスーパーと競合に負けて業容を縮小する二極化の様相です。これまで,食品スーパーの多くは,生鮮食品の安さで顧客を引きつけ,惣菜や加工食品で利益をあげるという戦略をとってきました。それが,生鮮食品で粗利をとる方向に転換の動きが高まっています。野菜や果物は,「にかく新鮮で良いものを」、という日本人の強いこだわりもあって,に安いだけではダメとし,安全性と鮮度を,前面に押し出し有機栽培の野菜などで,利益確保に取り組んでいます。冷凍食品などの売価下落に歯止めががかからないなか ,今後利益を生み出す鍵となるとみています。
 地方に目を向けると,大手スーパーと対等に渡り合い,長期にわたり安定した業績を維持している地域スーパーが全国各地あります。こうしたスーパー共通するのは,“家庭の冷蔵庫代わり”という基本的な役割を忠実に果たしていることです。ここに,今後の食品スーパーのあるべき姿が,読みとれます。



 食品スーパーは戦国時代に突入か

 


 いよいよ食品スーパーは戦国時代に突入か。昨年、北海道のアークスが口火を切った大型再編。その動きは西日本でも加速。イオンのマルナカ買収、セブン& アイHDは近商ストアと資本業務提携と、まさに全国各地で大手による陣取り合戦の様相を里し始めた。将来の不安要因が増える中、再編の動きが活発化してい る。

 動向が注目されるのは,アークスは,昨年6月、同じくシジシーグループ(CGC) である青森のユニバースとの経営統合。同社が標模する「八ヶ岳連峰経 営」は、各地域の営業はそれぞれの事業会社に、情報システムなどのインフラ機能は本部に集約するというもの。この考えの下にM&Aを手がけ、ユニバースと の統合により売り上げ規模は約4000億円と業界2位にランクアップした。


◆関西スーパー、スーパーナショナルと業務提携へ

 2012年8月1日,関西スーパーマーケットは、大阪市内を地盤とするスーパーナショナル(大阪市大正区)と業務提携検討に関する契約を結ぶと発表した。

 両社で商品の共同開発や共同調達などについて協議を進める。関西スーパーは、スーパーナショナルの発行済み株式の5%を取得する。人口の都心回帰が進む 大阪市内では、コンビニエンスストアや売り場面積が小さなスーパーの出店が相次いでいる。関西スーパーは、小型店の運営のノウハウを持つスーパーナショナ ルとの提携で、大阪市内での店舗網の充実を図る。

◆滑ヨ西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)・資本金:72億7700万円
・店舗数:60店
・従業員数:3,713名

◆潟Xーパーナショナル(大阪市大正区)・資本金:9600万円
・店舗数:13店
・従業員数:890名

⇒⇒業務提携検討に関するお知らせ
   http://www.kansaisuper.co.jp/upimages/irinfo/irnews_296.pdf

★★特集★★卸業界2強が放った生存領域確保の綱引き上位企業にも優勝劣敗を迫る競争の新ステージ三菱食品・ベールを脱いだバリューチェーン・コーディネーターの全貌日本アクセス・コアコンピタンスに磨きをかけ、競争優位の戦略を展開国分・300年の節目を超え、小商いと事業領域拡大に拍車加藤産業・ 得意先、仕入先の「つなぎ」に徹し売る力を再強化トモシア... ★★特集★★卸業界2強が放った生存領域確保の綱引き上位企業にも優勝劣敗を迫る競争の新ステージ三菱食品・ベールを脱いだバリューチェーン・コーディネーターの全貌日本アクセス・コアコンピタンスに磨きをかけ、競争優位の戦略を展開国分・300年の節目を超え、小商いと事業領域拡大に拍車加藤産業・ 得意先、仕入先の「つなぎ」に徹し売る力を再強化トモシア...
【第1特集】
1店で一生安泰な時代はもう終わった!
「複数店経営」はもう待ったなし!
出店候補の内容を確認し新店を決める
複数店経営に向かないオーナーの共通点
これは絶対だめ!「出店のタブー」 
【第2特集】
エリアFCを含む全国38社の最新情報を網羅
 【第3特集】
FFコーヒー全店導入で正面対決が本格化する!」




 2013年 地方スーパーの経営破綻相次ぐ

  近年,人口減少に加え近隣での大手スーパー出店,さらにはドラッグストアやコンビニの進出により経営が行き詰まる地域食品スーパーが後を絶たない。

2012年12月 和歌山県那智勝浦のスーパー「勝浦オークワ」自己破産申請
 「勝浦オークワ」は,スーパー大手「オークワ」創業者の親族が代表を務め、同社から50%出資を受けている会社。ピーク時の98年2月期には5店舗を運営し、年商24億5千万円を計上したが、近年、人口減少や近隣での大手スーパー出店などにより,先行きの見通しが立たないことから事業継続を断念。

◆2013年
・1月 石川県の「東京ストアー」民事再生法申請
・5月 新潟の「パワーズフジミ」が自己破産申請
・5月 徳島の「ファミリー両国」が倒産
・6月 兵庫の「パワーストアシーダー」が破産
・7月 宮崎の「スーパー江南」が破産
・8月 業務用食品スーパー「肉のハナマサ」茨城のジャパンミートの傘下入り
・8月 東京神田 地場食品スーパーの「スーパーストア冨士屋」倒産
・8月 神奈川の地域スーパー「松慶」が民事再生法申請-負債総額4億円

・9月 千葉県銚子の地域スーパー「ミヤスズ」自己破産

1/18  石川県の「東京ストアー」民事再生法申請、他地域からの参入が打撃


 1月18日、石川県内に10店舗を持つ食品スーパー、東京ストアー(金沢市)が民事再生法の適用を申請した。金沢市やその周辺には岐阜県のバローなど他地域のスーパーの進出が相次ぎ、価格競争に敗れた破綻に追い込まれた。  同社は1959年の創業。金沢市の食品スーパーの草分け的存在だった。生鮮品に定評があり「価格は少々高めだが、品物がいい」と言われた。だが,90年前後に手掛けた中国との貿易事業が失敗。加えて,バロー,富山県のアルビスや大阪屋ショップといった他県勢が相次ぎ出店し競争は激化していた。  自力あるいはスポンサーを確保して再建を目指すとしているが,既に好採算の店舗を資金繰りのために売却しており、主力金融機関である金沢信用金庫は自身の経営悪化もあって信金中央金庫から支援を受けていることから再建の道筋は厳しい。

05/11  新潟のスーパー「パワーズフジミ」が自己破産申請し倒産

 新潟県新潟市に本拠を置くスーパーマーケット「パワーズフジミ」は、5月10日付で新潟地方裁判所へ自己破産を申請し倒産した。負債総額は約27億4000万円。  1998年に設立の同社は、1998年2月に佐藤食品工業のスーパー部門を分離して設立。新潟市と新潟県下越地区で、生鮮3品を中心とした食品スーパー「パワーズフジミ」の経営を行い、ピーク時の2004年4月期には年売上高約196億7600万円を計上していた。  

 2007年12月には、スーパーを経営するモリヤ(宮城県仙台市)の代表・守谷定夫氏(当時)が、パワーズフジミの全株式を取得。さらに、2009年6月にモリヤが守谷定夫氏所有の全株式を取得し、同社の子会社となった。  しかし、2010年7月に親会社のモリヤが民事再生法の適用を申請したことで、同社に対する信用不安が発生するなど業況は悪化。
 
 近年は、消費低迷や同業者との競合激化などにより売り上げはジリ貧となり、2012年4月期の年売上高は約140億9000万円にまで落ち込んでいた。  2013年2月25日には、仕入先に対して説明会を開いて取引継続要請を行ったが、直後の2月末にも支払延期要請を行うなど支払遅延が度々発生したため、商品の仕入れが困難な状態となっていた。
▼  
 6月17日,イオングループの「マックスバリュ東北」は、「パワーズフジミ」からスーパーマーケット事業の一部を譲り受けると発表した。対象となるのは本店など新潟市内の5店舗と村上市内の2店舗の計7店舗で、5月に解雇となったパワーズフジミの従業員を再雇用するなど早期の営業再開を目指す方針である。

5/23  徳島のスーパー「ファミリー両国」が倒産

 徳島県徳島市に本拠を置くスーパーマーケット「ファミリー両国」とグループ会社「フアミリー」は、5月23日までに 徳島地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産した。負債総額は2社で計約17億4000万円。
 1975年に設立の同社は、徳島県内で食品スーパー「ファミリー両国」の経営を主力に事業を行い、最盛期には子会社も含め8店舗を展開していた。  だが,近年の景気低迷による個人消費の落ち込みに加え、大手スーパーの進出による競争激化で価格競争の激化や、隣接地に大手の同業者が出店したことなどから売上が減少。移動スーパー事業や不採算店の閉店・譲渡により生き残りを図ったが,資金繰りの行き詰まりから今年2月には全店舗を閉店していた。

6/20 兵庫県のスーパー「パワーストアシーダー」が破産申請

 神戸新聞(電子版)によると、兵庫県神戸市に本拠を置くスーパーマーケット経営の「三宅商会」は、6月20日までに自己破産申請の準備に入った。帝国データバンク神戸支店によると、2012年3月期末の負債総額は5億6200万円。

 同社は,1987年に「フーズストアシーダー」として創業し,神戸市内で「パワーストアシーダー」の屋号でスーパーマーケットを2店舗を運営していたが、阪神・淡路大震災で被災して閉鎖。本社ビルも全焼した。
 その後,JR三ノ宮駅・兵庫駅の近くなどで4店舗まで店舗網を拡大したものの、景気低迷による個人消費の落ち込みなどから業績が悪化したため、事業継続を断念し今回の措置に至ったもようである。なお,2012年3月期の売上高は20億5400万円。
 なお,2010年にはインターネットで注文を受ける宅配事業を,2011年には発光ダイオード(LED)照明の輸入販売事業を開始していた。


7/31 宮崎市の「スーパー江南」破産手続き開始  

2013-07スーパー江南

 宮崎市に本店のあるスーパー、「江南」が大手スーパーの進出による売り上げの減少などから7月31日、破産手続き開始の決定を受け、営業を停止しした。負債総額は12億円100万円。
 「江南」は昭和24年に小林市で創業した金物店(合資会社藤木金物店)を前身とする老舗のスーパーで、昭和58年には宮崎県内に6店舗を展開していた。
 ピーク時の1996(平成8)年には約48億円の売り上げがあったが,
1)イオンの進出,2)食料品を扱うドラッグストアとの競争の影響で,売り上げは落ち込み,今年1月にはおよそ半分の約24億円にまで落ち込んでいた。
 会社は去年10月に4店舗のうち宮崎市内の2店舗を閉店し,経営の立て直しを図ったが,今年1月まで4年連続で赤字であった。

◆社名 株式会社 江南
チェーン名 スーパーマーケット江南  代表者名 藤木 一成
本部所在地 宮崎県宮崎市中村東2丁目4番5号
総社員数 185名   資本金 3509万   創業年月 昭和20年10月 店舗数 2店舗
加盟チェーン オール日本スーパーマーケット協会

08/08 業務用スーパー「肉のハナマサ」 茨城のジャパンミートの傘下へ

 首都圏で業務用食品スーパー「肉のハナマサ」を展開する「花正」(東京都)を、北関東で食品スーパーを出店する「ジャパンミート」(茨城県)が買収した。なお,「花正」店舗名称は継続する。
 「ジャパンミート」は,花正の親会社である「全日本食品」(東京都)から、今年9月末をめどに約40億円で全株式を譲り受ける。

 肉のハナマサは現在、都心部での24時間営業店を中心に4都県で約50店舗を展開している。急激な出店増で経営が悪化したため、2008年以降、中小スーパーの共同仕入れ事業を行う全日本食品の傘下で店舗統廃合などのリストラを進めていた。新たにジャパンミート傘下に入り、安定仕入れを図る。店舗名は変えない。

8/10 東京神田 地場食品スーパーの「スーパーストア冨士屋」倒産

2013-08-fujiya


 地場食品スーパーの「スーパーストア冨士屋」の(株)冨士屋(東京都千代田区神田神保町2-15)は、7月30日付で事業を停止し事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った旨を店先に掲示し倒産したことが明らかになった。
 1932年に乾物商として創業の同社は、都内に数店舗を出店するも戦争により閉店を余儀なくされ、戦後は東京・神保町の交差点付近にてスーパーの経営を手掛け、地元や近隣の会社員などに利用されていた。  しかし、景気低迷による個人消費の落ち込みに加え、コンビニエンスストアの台頭などによる競争激化で売上が減少し,決済難に陥るなど資金繰りが逼迫していた。


9/17 銚子のミヤスズ自己破産へ 食品スーパー13店運営


 帝国データバンク千葉支店によると、千葉県銚子市の食品スーパー運営のミヤスズは、事業を停止し自己破産の準備に入った。負債額は約20億円。

 同社は銚子市や旭市などに直営の食品スーパー13店を運営。前身の同名会社(1963年設立)が大型店との競合激化などで経営不振に陥り2010年12月、千葉県中小企業再生支援協議会の支援を受け,新たに設立された同社が負債を除く事業を引き継いだ。
 しかし、前身会社の破たんで信用不安が発生。2013年2月期の売上は約55億円となっていた。