ブログ 「流通のいま」:  日経文庫−ビジュアル 流通の基本 (日経文庫)      

総合スーパー

          

“スーパー”は,「スーパーマーケット」の略称です。一般的には,セルフサービスで食料品を中心に生活用品を品揃えし,廉売する大型店がスーパーと呼ばれています。その内訳は,食料品を中心とした食品スーパーと衣食住を総合的に品ぞろえした総合スーパーの2つに大別されます。日国内における総合スーパーとしては,イトーヨーカ堂,イオン,ユニー3社があげられます。のなお,経済産業省の区分では,衣料品スーパーを加え3業態に分類しています。 
 米国のチェーンストアを手本に,1950年代に誕生したスーパーは,おりからの高度経済成長の波に乗り,「大量販売」の旗手として,成長をとげました。スーパーは,衣食住全般の生活必需品を総合的に取り扱う総合ーパー,衣料品中心の衣料品スーパー,食料品を主体とし,日用雑貨取り扱う通称食品スーパーの3つの形態に分化・成長を遂げました。
 なお,1972年に,三越百貨店を抜き小売業年間売上高第一位となったダイエーは,以来28年間首位にありましただが,2000年にコンビニエンスストアのセブン-イレブン・ジャパンに首位の座を明け渡しました。          
  いまスーパー業界は,消費低迷下の低価格販売の常態化,少子高齢化と人口減少,IT革新とグローバル化の進展といった社会構造の変化に加え大型店の出店規制,ホームセンター,大手専門量販店など他業態との競争激化といった状況のもとで,新たな経営のあり方を模索しています。

  最新の商業統計2007(平成19年)度版によると,スーパーの市場規模(年間売上高)は,22兆6800億円・店舗数約1万7882店です。それを日本の人口1億2000万人で割ると,一店当たりの支持人口は6710人。なお,コンビニの市場規模(年間売上高)は,約6兆9000億円・店舗数は約4万3000店,デパートの市場規模は約7兆6000億円です。
 日本チェーンストア協会発表の2009年の全国スーパー売上高は,店舗調整済みの既存店ベースで前年比4.3%減の12兆8349億円と,1988年以来21年ぶりに13兆円を割り込みました。
 これは,景気低迷による消費者の節約志向が高まったことに加え,値引き販売の激化による売り上げの縮小,また衣料品や住居関連商品でユニクロやニトリなどの“勝ち組”専門店に顧客が流出したことが原因としてあげられます。
 品目別では,主力の食料品が既存店ベースで5.4%減。年前半までは、家庭で食事をとる「内食回帰」を追い風に堅調だったが、年後半以降、消費者の買い控えが顕在化。度重なるセールで単価も下落しています。衣料品は2.2%減、住関連も5.0%減でした。
 厳しい環境を受け,各社は店舗閉鎖などリストラを加速する一方、ディスカウント店や超小型スーパーといった業態転換などを図っています。

 少子高齢化オーバーストアの一方で縮小するする国内市場に追い討ちをかける未曾有の消費不況。内食回帰で底堅さを見せた食品スーパーでも次第に危機感は強まってきています。価格競争でパイを奪い合う同質化競争から,競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海)に脱するためには,奇抜な政策を打つのではなく,もう一度足元を見直す必要があるともいわれています。

◇PB商品

 景気が低迷する中でその人気は高まり,消費者の支持を集めるPBは,スーパーなどの小売業者が独自に企画・開発した商品です。宣伝などのコストをかけず、メーカーに生産を依頼し、一括して大量に買い取ることで低価格化を実現してます。

 メーカーにとってもPBは生産した製品を全量買い取ってくれるので工場を計画的に稼働でき,一定の利益も見込めます。ただし,半面で自社のNB商品と競合するほか,小売業者から値下げ要求も強いなど,デメリットもあります。

 そこで,PBとは一線を画すメーカーもあります。ビールメーカーの首脳は「メーカーは最終消費者に価値を伝えるのが仕事。流通業者はビジネスのパートナーではあるが、お客さまではない」としています。
 
 また、大手食品メーカーは,「今以上に小売業者による値下げ要求が強まれば、体力のない中小メーカーの中には安価な原材料を使い、製品事故を起こす恐れも捨てきれない」と懸念しています。


■岐路に立つ総合スーパー   

 日本の大手スーパーは,総合スーパーあるいはGMS(GeneralMerchandise Store)とも呼ばれています。衣食住全般の生活必需品を幅広く品そろえし,何でも揃う利便性が魅力です。強大な販売力を持ち,その影響力は絶大です。 
 1950年代に誕生したイオン,イトーヨーカ堂,ユニーに代表される総合スーパーと呼ばれる大手スーパーは,衣食住分野の総合的な品ぞろえが顧客の指示を得て,長く小売業界の主役の座にあります。    

総合スーパーの経営

 セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂,イオン(ジャスコ,サティ)の総合スーパー二強は,低迷する消費を拡大すべく,低価格路線を強化していまさしています。セブン&アイは,食品ディスカウントストア「ザ・プライス」の展開を拡大,イオンも08年9月・1000品目の一斉値下げに踏み切りました。所得の伸び悩む中で,食料品などの値上げが相次ぎ,消費者の節約志向は強まる一方です。両社は低価格路線に活路を求めています。 



     ビジュアル  GMS不振の要因と経営改革



1 セブン&アイ・ホールディングス


 イトーヨーカ堂,セブン−イレブン・ジャパン,デニーズジャパンは05年9月,三社の株式を移転した持ち株会社のセブン&アイ・ホールディングスを設立しました。
 セブン&アイHD社の資本金は500億円,同社発表の2009年3〜11月期連結決算は、営業収益が前年同期比11.8%減の3兆8161億円、営業利益が21.8%減の1706億5300万円、純利益が31.8%減の693億4800万円となった。

 消費低迷により、コンビニエンスストア、スーパー、百貨店が軒並み苦戦。円高の影響で北米事業も不振だった。2010年2月通期の業績予想は据え置いた。

セブン&アイの各業態の主な企業 

総合スーパー(180店舗) イトーヨーカ堂
食品スーパー(288店舗) ヨークベニマル,ヨークマート,シェルガーデン
デベロッパー モール・エスシー開発
コンビニ(1万1300) セブンーイレブン・ジャパン
外食 ディニーズ・ジャパン,ファミール(920)
百貨店 ロビンソン百貨店,西武百貨店,そごう,
金融 セブン銀行


ナナコ

 nanacoは,セブン-イレブン,イトーヨーカドー・エスパ,デニーズなど,セブン&アイ内外の加盟店約1万8600店で利用可能。携帯電話を介して利用する「nanacoモバイル」と,店頭で発行される「nanacoカード」があり,コンビニやセブン銀行ATMでチャージできる。

 08年04月,都内の信用金庫で構成する東京都信用金庫協会は,電子マネー「nanaco」の利用拡大に向けて,セブン&アイ・ホールディングスと協力体制を敷いた。信用金庫の取引先の地元商店街などにnanacoの読取端末機の設置を促進する。nanacoを導入する狙いは,利便性を高め,集客力の向上と売上げの拡大にある。 

 

<トーヨーカ堂 GMS改革の成果が出始めている。>


 イトーヨーカ堂のGMS改革の苦悩は衣料品に尽きる。92年に挙げた975億円の経常最高益を最後に、衣料品不振が業績の足を引っ張り、10年上期は遂に創業以来初の赤字決算に追い込まれた。

赤字決算以来、収益力の低迷に苦しんできたイトーヨーカ堂。収益力悪化の元凶衣料品も、改革の成果が出始めている。衣料品PBの四本柱、グッデイ、ギヤ ローリア、機能性肌着、紳士ブランドのケントそれぞれが利益貢献PBに育ちつつある。グッデイは昨年秋の立ち上がりで、まだ登場して日が浅いが、初年度売 り上げ350億円の計画通りに推移。機能性肌着はユニクロが先行、各社追随の商品群だが、品質とクオリティの良さが相まってお客の支持が厚い。ギヤローリ アはショップ化してから昨年はニケタの伸びを示している。

 衣料品の伸びを支えている要因はもう一つ、接客がある。そごう西武から専属のトレーナー2名を招き、ギヤローリアの売り場専任者を中心に、商品の特徴の アピール、組み合わせ提案等の接客術を学ばせている。これがビジユアルプレゼンテーションの陳列の工夫と相乗効果を生み、お客にもう 言間買ってもらう動 機づけとなっている。





イトーヨーカ堂、北海道大手スーパーのダイイチに30%資本参加 

 2013年7月23日,セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂は,北海道の食品スーパー、ダイイチと資本・業務提携すると発表した。北海道地区での食品小売分野の事業基盤を強化する。イトーヨーカ堂は,北海道に旭川,函館など12店舗を出店している。  ダイイチは、帯広市、旭川市、札幌市を中心に食品スーパーマーケットを展開している。2012年9月期の連結売上高は316億円、営業利益は7億円。



セブン&アイがネット通販に本格進出

 セブン&アイ・ホールディングスは,2012年度には売上高1000億円を目指し,Webサイト「セブンネットショッピング」を開設してネット通販事業に本格参入した。

 同社は新サイト開設の目的として,販売チャネル,販売品目の拡大をあげている。 「店舗販売では,売り場面積に限りがあり、売れ筋商品や話題の商品しか置けない。ネットでは売り場は無限だ。従来よりも多くの商品を売る機会を得られる。ネットで売れた商品はリアルの店舗の売り場にも置いていきたい。」としている。
 

セブン−イレブン 2006年5月イレブン−−システムを更新
 セブン-イレブン・ジャパンは,発注精度の向上を目指し,「店舗システム」を8年ぶりに更新する。新システムでは,店舗で店員がGOTを使って,販売データや商品紹介用の動画コンテンツを売り場で参照することができる。

 

04年2月期 05年2月期


連結売上高      4兆1958億円
連結営業利益   1467億円
連結当期利益    620億円 
単体営業利益    173億円
単体の直営店舗    379店舗



連結売上高      3兆6235億円 
連結営業利益   2119億円
連結当期利益    172億円
単体営業利益     88億円
単体の直営店舗    181店舗 

     関連リンク:(イトーヨーカ堂のホームページ)
        営業利益


2 イオン

 イオン株式会社を中核に,国内外157(2005年3月現在)の企業からな形成されている。グループの代表企業としては,「ジャスコ」や「サティ」といった総合スーパー,スーパーでは「マックスバリュ」,コンビニエンスストア事業では,ファストフード機能を併せ持つ“コンボストア”という独自の店舗形態の「ミニストップ」を持つ。
 2008年1月末で総合スーパーは608店,スーパーは1161店。ヤオハンやマイカル,弁当のオリジン東秀,ダイエーなどM&Aによる規模拡大にも邁進してきた。
イオン−経営戦略を転換
 08年2月期決算では,総合スーパー事業は主に地方の消費環境の悪化から,既存店売上高が前年比0.4%減。衣料品在庫処分などで粗利益率も低下,単体営業利益は5.5%減の317億円と不振。
 
 イオンの中期経営計画基本方針によると,世界の小売り売上高10位以内を目指す「グローバル10」構想を転換し,規模拡大から利益重視に軸足を移つしし,これまでの拡大路線とは一線を画しての戦略転換を図る。10年度の連結売上高目標を5兆8500億円超,営業利益目標を2500億円とする。

 国内の新規出店やM&A(合併・買収)の抑制,総合スーパーやデベロッパー事業など中核事業への経営資源の集約を図り,10(平成22)年度までに,「ジャスコ」「マイカル」など総合スーパー約100店を閉鎖,非中核事業の再編や統合,保有不動産の流動化など,収益力の強化がうたわれている。

 一方,投資効率が高い中国や東南アジアで出店を増やし,11年までに現在の3.5倍にあたる190店舗体制とする。国内出店は純増数で来年以降10店未満に抑える。この結果,海外投資額は今後3年で約4倍の1400億〜1600億円を中国,アジアに投入する計画だという。

04年業績
 イオンの04年期決算は,連結売上高が過去最高を更新し,日本の小売企業で初めて4兆円を超えました。イオンは小売業で世界10位(売上高で7兆円程度)入りをめざす長期目標を掲げており,アジア出店を強化する方針です。連結売上高は前期より18.3%増の4兆1958億円,経常利益は18.8%増の1560億円と過去最高。だが,当期利益は190億円程度にとどまる見通しです。

 イオンの連結売り上げ・利益構造をみると,クレジットやデベロッパー事業は好調な半面,イオン単独の経常利益は18.7%の減益と,本業のGMSは低迷しています。立て直し策として,出店政策では,GMSに専門店街を併設した「ショッピングセンター」の営業面では,『エブリデー・ロー・プライス』路線の徹底,出店舗運営体制の不備是正。商品面では,団塊ジュニア,団塊層を重点顧客として,商品の企画から生産,販売までを一貫して行うことで,商品力を強化する考えです。特に,「衣料品はターゲットを絞らないとダメだ」とし,消費者層を絞った商品開発を進める方針です。

 関連リンク(イオンのホームページ)

07年業績−−イオン中間決算 既存店前年割れ年
 イオンが07年10月4日発表の2007年8月中間連結決算は,夏の天候不順や個人消費の低迷が直撃,単体の既存店売上高が前年割れとなった。イオンの中間決算は,売上高が過去最高の前年同期比7.7%増の2兆5251億円だった。
 だが,単体の既存店売上高は猛暑などで衣料品が落ち込み,同0・9%減。原因は,「円安などで輸入品も高くなったが,価格に上乗せできず利益を落とした」事にあるという。
 イオンはグループのPB「トップバリユ」の10(平成22)年度の売り上げ目標を現在の3倍以上の7500億円に設定している。今回の8月中間期も同21%増の1220億円と売り上げを伸ばしており,収益源として期待している。


オリジン東秀を子会社化
 イオンは06年3月,「中食」と呼ばれる惣菜や弁当を扱うオリジン東秀の発行済み株式の95.67%を取得し,同社を連結子会社化した。取得価額は525億9900万円。オリジン東秀は,東京証券取引所の定める基準に従い上場廃止となる。


◆イオングループの各業態の主な企業 (連結子会社約160社) 

総合スーパー(460) イオン,マイカル
食品スーパー(690) マックスバリュー6社(東海他),カスミ
デベロッパー イオンモール
コンビニ(1700) ミニストップ
中食 オリジン東秀
外食(340) グルメドール
ドラッグストア ツルハ,スギ薬局
百貨店(3) ボンベルタ
ホームセンター(97) サンディー
衣料品 タカキュー


イオン銀行も小売り流−−07年10月
 07年10月29日,イオン銀行が開業した。異業種から参入した銀行が,預金から住宅ローン,投資信託の販売まで総合的なサービスを有人店舗で展開するのは,日本初。ATMサービスが主体のセブン銀行や,インターネット専業のソニー銀行とは異なる。
 売り物は使い勝手の良さ。午前9時から午後9時まで年中無休で営業し,ATMの利用手数料は無料。経営には,小売業の3つのノウハウを取り入れている。1つは中央集権的な組織体系。事務処理作業はすべて本社にデータを送って処理しており,その分,店舗では人員もスペースも最小限に抑えられるというわけだ。「商品の仕入れや決済を本部に集約するチェーンストア経営を模倣した」という。
 2つ目は最小限の人員で運営するノウハウ。休日も朝から夜まで営業する店舗では人員配置をどうするかが運営コスト上の重要な課題である。説明能力のある人員を,どの時間帯にどれだけ配置するかで人件費は大きく変わる。ここで活用したのはイオンがスーパーマーケットで使用するシフト表だ。各売り場の人員を繁閑に合わせて効率的に配置する手法を応用し,銀行窓口も最小限の人数で動かせる体制にしたという。
 3つ目の手法は,店頭に置かれた目安箱にある。そこに置かれたはがきには,こう書いてある。「イオン銀行はお客さまの声から生まれた銀行です。ご意見・ご要望など,お客さまの声をぜひお聞かせください」。
 スーパーなどの店頭では,顧客が店長に直接メッセージを送るお客様カードが置いてある。この手法を銀行に取り入れたのだ。
 はがきは店長ではなくイオン銀行の役員会に届けられるという。業容拡大には,顧客の利便性を高めるための情報収集を重視している。

◆「イオンレイクタウン」(埼玉県越谷市東町)
 08年09月,国内最大級のショッピングセンター「イオンレイクタウン」(最寄り駅・JR武蔵野線越谷レイクタウン駅)がオープンした。イオンレイクタウンは,共に3階建ての「KAZE(風)」と「MORI(森)」の2つのショッピングモールで構成されている。クルマで約30分圏内の約140万世帯,約330万人を商圏としている国内最大規模のSCである。
 両モールには,あわせて565もの専門店が入り,従業員数は約9000人。業界では,同SCの年間目標売上高を「750億円前後」と見ている。
 
◆ イオンvsセブン&アイ(売上・人件費・利益率)
 イオンとセブン&アイHDの売上高合計、人件費、営業利益率を比較。 青系列がセブン&アイで、赤系列がイオンである。

ダイエー再建へ取り組み

  2002年春,経営不振に陥ったダイエーは,納入業者も含め,大規模な関連倒産と大量の失業者が出るのを恐れた国の方針で法的整理をまぬがれましました。主力銀行の5千2百億円におよぶ借金棒引き(債権放棄)の金融支援を受けて,救済されたのです。このダイエー救済の劇の顛末は,流通が現代社会におよぼす影響の大きさを如実に物語っています。経営不振に陥ったダイエーは,産業経済機構の傘下で再起を期しています。同社の再建が注目されるは,企業規模や負債の大さだけではありません。「ダイエー」の成功と頓挫が,日本経済の戦後史を投影しているからです。



 1950年代に誕生したスーパーは,おりからの経済高度成長の波に乗り,大量生産と大量消費をつなぐ「流通革新」の旗手として,消費者の支持を受け躍進しました。72年には年間売上高でダイエーが三越百貨店を抜き 小売業1位の座につきました。
 ダイエー創業当時の,キャッチフレーズは「リンゴからダイヤモンドまで」でした。同社の“幅広い品ぞろえと安さ”を追求した商法は,折からの大量生産,大量消費の時代に合致し,消費者の支持を得ました。
 だが,成熟の時代を迎え,消費者は次第に個性を大事にするようになり,ダイエーの安さの戦略だけでは,消費者の好みに即応できなくなっていたのです。そのすきをカテゴリーキラーともよばれる「ユニクロ」「マツモトキヨシ」といった価格面で競争力を持つ専門店に突かれました。

ダイエー再建へ取り組み

  2002年春,経営不振に陥ったダイエーは,納入業者も含め,大規模な関連倒産と大量の失業者が出るのを恐れた国の方針で法的整理をまぬがれましました。主力銀行の5千2百億円におよぶ借金棒引き(債権放棄)の金融支援を受けて,救済されたのです。このダイエー救済の劇の顛末は,流通が現代社会におよぼす影響の大きさを如実に物語っています。経営不振に陥ったダイエーは,産業経済機構の傘下で再起を期しています。同社の再建が注目されるは,企業規模や負債の大さだけではありません。「ダイエー」の成功と頓挫が,日本経済の戦後史を投影しているからです。



 1950年代に誕生したスーパーは,おりからの経済高度成長の波に乗り,大量生産と大量消費をつなぐ「流通革新」の旗手として,消費者の支持を受け躍進しました。72年には年間売上高でダイエーが三越百貨店を抜き 小売業1位の座につきました。
 ダイエー創業当時の,キャッチフレーズは「リンゴからダイヤモンドまで」でした。同社の“幅広い品ぞろえと安さ”を追求した商法は,折からの大量生産,大量消費の時代に合致し,消費者の支持を得ました。
 だが,成熟の時代を迎え,消費者は次第に個性を大事にするようになり,ダイエーの安さの戦略だけでは,消費者の好みに即応できなくなっていたのです。そのすきをカテゴリーキラーともよばれる「ユニクロ」「マツモトキヨシ」といった価格面で競争力を持つ専門店に突かれました。





 

産業再生機構は05年3月4日,ダイエーの支援企業として丸紅と投資会社アドバンテッジパートナーズの陣営を承認し,再生機構,丸紅・アドバンテッジパートナーズ,ダイエーの3社はスポンサー契約に調印しました。そして,ダイエーは,産業再生機構の支援を受け,有形固定資産の3割近くを損失として処理するという荒療治を施しました。

 07年3月には,イオン・ダイエー・丸紅の三社の資本・業務提携で合意し,契約を締結したと発表しました。イオンは3月末までに,ダイエー株15.1%(議決権ベース)とマルエツ株21.2%(同)を総額627億円で取得。また,イオンと丸紅は関係強化のため,今後3カ月以内に相互に100億円相当の株式を取得し,持ち合います。これによりイオンは,ダイエーとマルエツの第2位株主となり,イオンとダイエーの連結売上高6兆円超と,国内最大の流通連合が実現します。

 イオン・ダイエー連合は,セブン&アイ・ホールディングス(HD)とともに,小売り側がメーカーとの価格決定の駆け引きで優勢に立つことを意味します。巨大な購買力を武器に仕入れ価格の引き下げを実現すれば,店頭での値下げを通じて消費者からの支持を得やすく,メーカーにとっては大きな脅威となります。すでに家電量販店業界,ドラッグストア業界でも同様の動きが加速しており,「価格交渉力川下主導の時代」に入りつつあります。

 ダイエーは,07年04月,08年2月期の営業収益は前年比5%減の1兆2200億円,経常利益は同41%減の220億円の見込みと発表した。
 単体では,営業収益が前年並みの8700億円,営業利益は同21%増の50億円を見込んでいる。既存店売上高は,前年比1%増を計画。店舗改造やその他の施策による営業力,販売力の改善に加え,創業50周年記念の施策で達成したい,としている。


  
           ダイエーのWebサイト   
           ダイエー中間決算諸表の概要
           産業再生機構のHP
           用語解説:産業再生機構

★★特集★★卸業界2強が放った生存領域確保の綱引き上位企業にも優勝劣敗を迫る競争の新ステージ三菱食品・ベールを脱いだバリューチェーン・コーディネーターの全貌日本アクセス・コアコンピタンスに磨きをかけ、競争優位の戦略を展開国分・300年の節目を超え、小商いと事業領域拡大に拍車加藤産業・ 得意先、仕入先の「つなぎ」に徹し売る力を再強化トモシア... ★★特集★★卸業界2強が放った生存領域確保の綱引き上位企業にも優勝劣敗を迫る競争の新ステージ三菱食品・ベールを脱いだバリューチェーン・コーディネーターの全貌日本アクセス・コアコンピタンスに磨きをかけ、競争優位の戦略を展開国分・300年の節目を超え、小商いと事業領域拡大に拍車加藤産業・ 得意先、仕入先の「つなぎ」に徹し売る力を再強化トモシア...
【第1特集】
1店で一生安泰な時代はもう終わった!
「複数店経営」はもう待ったなし!
出店候補の内容を確認し新店を決める
複数店経営に向かないオーナーの共通点
これは絶対だめ!「出店のタブー」 
【第2特集】
エリアFCを含む全国38社の最新情報を網羅
 【第3特集】
FFコーヒー全店導入で正面対決が本格化する!」

3 ユニー


 総合スーパーのユニー(本社 愛知県稲沢市)は,09年8月中間連結決算を発表し,東海地方を中心にスーパー「ピアゴ」「アピタ」を運営するユニー単体で11億円の営業赤字を計上した。同社が単体で中間決算が赤字になるのは,決算の公表を始めた1977年以来初めて。

 消費者の買い控えや夏の天候不順で衣料品が前年同期比13.5%減と不振だったほか,客単価が6%下がったのが響いた。54億円の経費を削減したものの減益要因を補えなかった。同社は,09年度からの3年間で不採算の10店舗前後を閉鎖する意向である。

決算短信(平成21年10月2日)
  当社グループはグループ各社が連携と協調を図りつつ、経営資源の効率的な活用と収益性の確保に努めました。また、新生活創造小売業を標榜し、グループシナジーの追及により商品の企画・提案力、販売戦略の強化と高効率化等を推進しました。しかしながら、厳しい経済情勢による不安感を背景に、生活者の節約志向、生活防衛意識の一層の高まりなどから個人消費が低迷し、引き続き厳しい状況が続きました。

 その結果、当第2四半期のグループ連結業績は、営業収益5,700億78百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益93億53百万円(前年同期比57.7%減)、経常利益82億96百万円(前年同期比61.0%減)となりました。また、四半期純損益は特別損失として減損損失44億74百万円及びたな卸資産評価損40億72百万円等を計上したことにより、四半期純損失26億37百万円(前年同期は四半期純利益44億98百万円)となりました。


<総合小売業>
総合小売業は営業収益4,134億86百万円(前年同期比0.9%減)、営業損失9億34百万円(前年同期は営業利益65億90百万円)となりました。
ユニー鰍ノおいては、期首にユニー営業本部(旧ユニー店舗)とユーストア営業本部(旧ユーストア店舗)を統合し、新たに「ピアゴ営業本部」を発足させました。大型店中心のアピタ店舗はより豊かで楽しい生活提案をより多く取り入れた「生活向上店」を、中小型店中心のピアゴ店舗は地域密着型の「生活便利店」を目指します。


<コンビニエンスストア>
コンビニエンスストアは営業収益993億36百万円(前年同期比6.9%減)、営業利益85億55百万円(前年同期比33.0%減)となりました。
潟TークルKサンクスにおいては、看板ブランドのさらなる育成、カウンターフーズ商品の強化等を図りました。3月にはユニーグループ共同開発の価格訴求型PB(自主企画)商品「+KACHIAL(カチアル)」の立ち上げとともに、低価格PB商品「e−price」の導入も拡大しました。また、お客様の低価格志向への対応として、弁当のお買得価格でのご提供や、地域商品強化策として地産地消企画「MOTプロジェクト」の展開地域を拡大しました。
しかしながら、7〜8月における長梅雨や冷夏などの天候要因により夏物商材が不振であったほか、消費低迷を背景としての消費者の「低価格志向」が拡大し、主力商品のファーストフードの売上が大幅に減少したこと等により、既設店売上高(単体)は前年同期比3.3%減となりました。
当セグメントの営業費用は減価償却費の増加などにより販売費及び一般管理費は増加しましたが、売上総利益率が改善したことにより907億80百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
また、店舗数は「ベンチャー社員制度」や「複数店舗経営優遇制度」などが効果的に機能したことにより、当第2四半期における連結ベースでの出店数は155店舗となり、当四半期末店舗数は前期末比22店舗純増の5,285店舗となりました。なお、非連結のエリアフランチャイザーを含む合計店舗数は6,263店舗となりました。


▼会社概要
ユニー株式会社  UNY Co.,Ltd.    TEL:0587-24-8111(代表)
・本店所在地 〒492-8680 愛知県稲沢市天池五反田町1番地
・設立 1950年3月13日
・事業内容 衣・食・住・余暇にわたる総合小売業のチェーンストア
・資本金 101億29百万円(2008年2月現在)
・代表者 前村哲路
・従業員 34,644名(アルバイトを除く実人数・2009年8月20日現在<9月14日更新>)
・店舗数 1府19県下に235店舗(2009年6月21日現在)
・モールタイプ7店舗、ラスパタイプ1店舗、アピタタイプ90店舗、ピアゴ128店舗、ユーホーム9店舗

◆沿革
1969年 合併を前提として、ほていや、西川屋チェン、タキヒヨー共同出資により、共同仕入れ会社「(株)ユニー」を設立。1971年 ほていや、西川屋チェンが合併し、「ユニー(株)」が誕生。同時に系列販売会社(株)関東ユニー、(株)中部ユニー、(株)東海ユニーを設立。




 米ウォルマートが西友を完全子会社化へ

 ウォルマートは2002年に経営不振に陥っていた西友と資本提携し,07年,ウォルマートは関連会社を通じて,西友を完全子会社化するためTOB(株式公開買い付け)を実施した。西友の完全子会社化の理由として,日本が世界第2位規模の経済国であること,ウォルマートの価値の提案は日本市場で上手く機能すると考えること,これから伸びる市場であること,を挙げている。
 なお,西友は2007年1〜12月期の通年決算で,当初予想していた105億円の2倍の209億円(約1億9550万ドル)の赤字を計上した。

◆ウォルマート
 ウォルマートは,世界6,141店舗(米国国内3,856店舗(DS 1,209店舗, スーパーセンター1,980店舗, SAM`S 567店舗 ,Neighborhood Market 100店舗) INTERNATIONAL 1,288店舗 )。総売上高3,124億ドル(2006年度),2007年度の総売上高3745億ドル。

 ウォルマートは,創業時からEDLP,徹底したコスト管理,効率的な物流戦略という基本戦略を貫いている。そして,幅広い品揃えをローコストオペレーションで実現すべく,高回転率の商品を大量に積み上げ回転させるという商法で荒利率20%台を実現している。
 ウォルマートの売り上げを牽引しているのは,食品や4ドル程度の低価格の薬品など,利幅の薄い生活必需品である。
 なお,ウォルマートは仕入先には販売促進費や店舗作業を要求するのではなく,「ベストプライス」と「優れた提案」を求めている。これが同社の売場力の強化に役立っている。

 
◆ 「歯止めきなき低価格競争 西友が85円均一を実施」


 円安による輸入原材料価格の上昇を背景に、電力会社や食品メーカーなど値上げの動きが相次いでいる。だがスーパーでは、消費者には受け入れられないとみて,コスト削減を強化して生活必需品を逆に値下げするなど踏ん張っている。店頭価格を据え置く業者も多い。

 西友では,2013年7月5日から9月4日まで商品価格を引き下げ、客離れを食い止めようとしている。対象商品250品目のうち、値引き率は10〜15%のものが 多い。新商品約30品目も含まれる。夏に需要が高まる95〜100円前後の飲料やアイスが値下げの中心で、現在は88円のサントリー「南アルプスの天然水  2リットル」、97円のグリコのアイス「パピコ チョココーヒー」、花王の台所用洗剤「ファミリーフレッシュコンパクト つめかえ用」などが対象であ る。

 ただ、メーカー側の出荷価格引き上げの動きは広がっており、今後は店頭価格にも本格的に波及する可能性がある。脱デフレに向けてアベノミクスが目指す物価上昇が徐々に浸透し始めたようだ。
 

 

     関連リンク:(イトーヨーカ堂のホームページ)
        営業利益

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