アウトレット (Out-let )
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古いモデル,大量在庫品,売れ残り品や,製造を中止した品,キズや汚れがついた訳あり商品(アウトレット)をメーカー 直営店で割安で販売する店舗がアウトレット店で,70年代に米国で誕生,80−90年代に急増しました。
アウトレットストアは,メーカーのアンテナショップとしての情報基地の役割とともに,前年の売れ残り品や,製造を中止した廃番品といった在庫品を販売する店といった,流通在庫の圧縮機能を果たしています。
1 業態の概要
アウトレット(out−let)の元来の意味は,「出口」「はけ口」「排水口」です。アウトレット店は,1970年代末に米国でfactory outlet,すなわち工場直売店として生まれました。当初はキズ,汚れなどから製造段階で規格外となったものを,メーカーが直営で低価格販売する店舗でした。これが次第に発展し,数店舗が連なって出店するモール型式の業態へと発展し,現在の業態を確立しました。こうした商品を専門に救うショップの集合体が「アウトレットモール」です。
前シーズンの売れ残り品や,製造を中止した品,キズや汚れがついた商品を,メーカー直営店で,割安で販売する店舗がアウトレット店です。アウトレット店を集めたアウトレットモールは,現在,全米で約400店舗と小売業業態の1つとして定着しました。
メーカーからすると,「訳あり商品」をアウトレット専門店で販売すれば,不要な在庫を処分できる,購入者にとっては正規の商品となんら変わりのないモノを格安で買えると,両者にとってメリットがあります。
アウトレットストアは,メーカーのアンテナショップとしての情報基地の役割とともに,前年の売れ残り品や,製道を中止した廃番品といった在庫品を販売する店といった,流通在庫の圧縮機能を果たしています。
2 テナントの出店目的・出店効果
テナントにとってアウトレットモールへの出店は,本来の在庫処分の場の確保に加え,知名度アップなどの効果を期待して出店するケースも増えていなす。アウトレットモールに出店すれば,これまで接点がなかったような広範囲の人にブランド名や商品の魅力を知ってもらえる,という効果が期待できるという,アンテナショップのような,副次的効果が期待できます。
3 最近の動向
国内アウトレットモール二強は三井不動産とチェルシージャパン(米国チェルシー40%,三菱地所30%,双日30%の合弁)です。アウトレットモール全体の市場規模は4000億円(推定),施設数は33カ所(08年11月現在)です。このうち,二強の総売上高が60%以上を占めています。
08年は話題の商業施設が全国で数多く開業しました。埼玉県越谷市の「イオンレイクタウン」(右 phote)や「阪急西宮ガーデンズ」といった“最大級”の規模を持つ巨大モール,小商圏を対象とした小規模な都心型ショッピングセンター,さらにはアウトレットモールの新規開業や増床が相次ぎ,いずれもオープン時は大勢の客でにぎいました。
これらの業績好調のショッピングセンターや専門店に共通する点は,「信頼の品質と低価格」にあります。
◆佐野プレミアム・アウトレット
http://www.premiumoutlets.co.jp/sano/ 08年7月にリニューアルし増床オープンした「佐野プレミアム・アウトレット Sano Premium Outlets」(栃木県佐野市越名町2058 チェルシージャパン(株) −チェルシープロパティグループ,三菱地所(株),双日(株)の3社の合弁会社−)。店舗面積を約2割拡張し,移転を含む25店舗がオープン。秋にも既存エリアに新店がオープンしたことから来場者数,売上げともに前期比約2割増で推移している。
車だと東北自動車道の川口ジャンクションから約40分というアクセスの良さと,「非日常空間の演出」という店舗コンセプトによる店づくりが好評。
加えて,女性に絶大な人気のンナーウェアの『ピーチ・ジョン』が日本初出店,その他,家電製品・調理器具の『ティファール』や創作陶器の『たち吉』など,他のアウトレットにはないバラエティに富んだ170店舗を超えるテナント構成も人気の理由である。
◆「三井アウトレットパーク 入間」
三井アウトレットパーク 入間(埼玉県入間市 約86,000m2の敷地面積,店舗面積 約32,000m2)は08年4月のオープン初日は平日だったにもかかわらずm約3万7000人が来場し,4月の売り上げは約40億円を達成。 集客力の要因としては,次の三つの魅力があげられる。
1) テナントの多さとポピュラーブランド中心の品揃え
204店(うちアウトレットは181店)というテナントの多さと,百貨店や駅ビルなどで人気のポピュラーブランドを品揃えしていることから,気軽に足を運べると好評を得た。
2)フードコートや飲食施設,イベントの充実
650席のフードコートを含め11店からなる飲食施設も充実している。また,週末は音楽ライブなどのイベントを実施し,客の来店意欲を喚起した。
3)アクセスの良さ
幹線道路沿いで,高速道路のインターチェンジ出口に近接(関越自動車道と中央自動車道を結ぶ「圏央道」の入間インターチェンジ「瑞穂,八王子方面」 出口から約500m)しているなど,交通アクセスの良さも集客力につながっている。人気の会員制倉庫型ディスカウントストア「コストコホールセール」が隣接しているのも,買い物に便利な点も見逃せない。
・駐車台数 約3200台(従業員駐車場含む)
・敷地面積 約8万9000平方メートル ・延床面積 約9万8000平方メートル
・店舗面積 約3万2000平方メートル ・店舗数 204店(うちアウトレット181店)
◆国内アウトレットで一番の広さ 「御殿場プレミアム・アウトレット」
08年3月に第3期の増床オープンの日本最大級のアウトレットモール「御殿場プレミアム・アウトレット」(静岡県御殿場市深沢1312)は,約35万5000平米の広大な敷地内に4万5000u超の店舗面積という超大型アウトレットモール。増床後は客単価,客数ともに増え,順調に売上げを伸ばしている。
プレミアム・アウトレットとは,全店舗,世界各国の著名ブランドが直接出店する,アメリカ生まれのスタイルであり,非日常的な空間で一日中ショッピングを楽しめるのが特徴である。
「御殿場プレミアム・アウトレット」人気の理由は,高級ブランドから家電まで約200のテナントが充実している点。これに加え,かつて遊園地だった広大な敷地を生かした施設で,自然のなかで高級ブランドなどの買い物ができるのが魅力。天気の良い日は富士山が間近に望め,抜けるような青空も開放感を味あえる。富士山など近隣の観光資源を組み込んだバスツアーで訪れる客も多い。
問題は週末の渋滞。モール付近の道路は狭く,来店する車で渋滞が起きることも多い。また,週末は午前中から施設近くの駐車場はすぐに満車となる。少々離れた場所にある駐車場からはシャトルバスがでているが面倒である。
◆オフィスワーカー,観光客も訪れる「赤坂サカス akasaka Sacas」
「赤坂サカス akasaka Sacas 東京メトロ:丸の内線,銀座線ベルビー赤坂方面出口より8分」は,TBS放送センターを中心として,「赤坂五丁目TBS開発計画 全体敷地面積
約33,095m2(約10,011坪) 」をあわせたエリアの総称である。三井不動産が,東京放送からプロジェクトマネジメント業務を受託し,「赤坂五丁目TBS開発計画 (東京都港区赤坂五丁目3番1号他)」を推進している。
「赤坂五丁目TBS開発計画」は,オフィス・商業棟「赤坂Bizタワー(地上39階,地下3階,高さ約180m)」をランドマークに,2つの劇場「赤坂BLITZ」,「赤坂ACTシアター」や「赤坂ギャラリー」からなる文化施設,都心生活を満喫できる賃貸住宅,「Sacas広場」など,「職・住・遊」の機能を有する複合開発である。
赤坂Bizタワーは,周辺のオフィスワーカーを中心に居住者(都心生活者),観光客ら大勢の来街者で賑わっている。「赤坂Bizタワー SHOP&DINING」にはテーマによって5つのゾーンに分かれている。そこに,高級広東料理「赤坂璃宮」,赤坂で40年余の歴史をもつ日本料理の「ざくろ」といった赤坂で長く親しまれてきた老舗から「マキシム・ド・パリ」などの新業態まで飲食店が充実しているのが魅力。
◆茨城県阿見町 「あみプレミアム・アウトレット」 09年7月オープン
三菱地所(株)とアメリカのアウトレット専業ディベロッパーであるチェルシープロパティグループの2社の合弁会社で,日本におけるアウトレットセンターの開発,所有,運営を主な業務とする<A
href="http://www.premiumoutlets.co.jp/">チェルシージャパン(株)</A>は,茨城県阿見町で開発を進めているアウトレットモール「あみプレミアム・アウトレット」を7月9日にグランドオープンした。
店舗面積は約2万1000m2,104店舗(物販97店,飲食7店)が入っている。人気セレクトショップやカジュアルデニム,スーツをはじめとしたメンズ・レディスファッションから,こだわりのバッグ,時計,靴,アクセサリー,スポーツ&アウトドア,キッチン雑貨,食品まで,バラエティ豊かなショップ構成となる。靴の「マドラス」,イタリアの正統派テーラー「パルジレリ」など7店舗が国内アウトレット初出店。
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