日本進出の流通外資・海外市場
ウォルマート・ストアーズ(米国)−世界一の小売業
ウォルマートは,世界6,141店舗(米国国内3,856店舗(DS 1,209店舗, スーパーセンター1,980店舗, SAM`S 567店舗
,Neighborhood Market 100店舗) INTERNATIONAL 1,288店舗 )。総売上高3,124億ドル(2006年度),2007年度の総売上高3745億ドル。
ウォルマートは,創業時からEDLP,徹底したコスト管理,効率的な物流戦略という基本戦略を貫いている。そして,幅広い品揃えをローコストオペレーションで実現すべく,高回転率の商品を大量に積み上げ回転させるという商法で荒利率20%台を実現している。
ウォルマートの売り上げを牽引しているのは,食品や4ドル程度の低価格の薬品など,利幅の薄い生活必需品である。
なお,ウォルマートは仕入先には販売促進費や店舗作業を要求するのではなく,「ベストプライス」と「優れた提案」を求めている。これが同社の売場力の強化に役立っている。
◆ 米ウォルマートが西友を完全子会社化へ
ウォルマートは2002年に経営不振に陥っていた西友と資本提携し,07年,ウォルマートは関連会社を通じて,西友を完全子会社化するためTOB(株式公開買い付け)を実施した。西友の完全子会社化の理由として,日本が世界第2位規模の経済国であること,ウォルマートの価値の提案は日本市場で上手く機能すると考えること,これから伸びる市場であること,を挙げている。
なお,西友は2007年1〜12月期の通年決算で,当初予想していた105億円の2倍の209億円(約1億9550万ドル)の赤字を計上した。
◆英国:
英国大手スーパーのアスダを買収。
◆中国進出:
ウォルマートは,すでに中国全土で47店舗を展開している。48店目となるの上海1号店となる南浦大橋店が05年08月にオープンした。
◆ウォルマートの主な経営指標
ウォルマート・ストア−ズ (2002年1月期連結)
売上高 約2178億ドル(約26兆円)
販売管理費 361億ドル (約5%)
店舗数 4414
従業員 約30万人
◆カルフール(フランス)−世界第2位の小売業
カルフールは,世界第2位の小売業。世界30ヵ国に1万店を出店しています。同社躍進の原動力は,1963年にHyper Market:ハイパーマートを作り出したことにある。
2005年03月,カルフールは,8店舗を運営する日本法人カルフール・ジャパンの全株式を約100億円でイオンに売却。イオンは,社名を『イオンマルシェ』に変更。カルフール・ジャパンの年商は約500億円だが,年間40〜50億円の赤字運営だったとされる。
カルフールは母国フランスを除いて,流通先進国での成功例はありません。海外進出における過去の成功事例をみると,台湾,中国,ブラジル,アルゼンチンなど「流通が未発達な国」にとどまります。事実,過去に米国から撤退している。
メトロ−−−ドイツを中心に30カ国に進出の国際流通業
メトログループは,従業員は約25万人,30カ国に約2300店舗を展開し,2004年度の売り上げは564億ユーロ(1ユーロ140円換算で約7兆8960億円)海外売り上げ比率49%と売上高世界3位の小売企業である。売り上げ比率は,おおよそドイツ国内50:国外50である。
ヨーロッパを中心にインドやタイ,ベトナムといったアジアにも進出している。日本では丸紅との合弁でメトロ千葉店(千葉県千葉市)とメトロ安行店(埼玉県川口市)の2店舗を出店している。
メトロの業態構成−
メトロの業態は,キャッシュアンドキャリー業態の「METRO/makro」(2004年12月末時点で28カ国505店舗),デパートの「KAUFHOF」(2004年12月末時点で2カ国147店舗),4000〜10000平方メートルの規模を持つハイパーマーケット業態の「REAL」(2004年12月末時点で3カ国306店舗),800〜4000平方メートルと,小規模のスーパーマーケットの「Extra」(2004年12月末時点でドイツ国内に436店舗),家電量販店の「Media Markt and Saturn」(2004年12月末時点で11カ国503店舗),ホームセンターの「Praktiker」(2004年12月末時点で9カ国339店舗)である。
イギリス
英国では特定の商品分野に特化した専門特化型業態が中心となり,衣食住分野を品ぞろえした総合業態は影が薄い存在です。
テスコ(Tesco),セインズベリー(Sainsbury)などが主力業態として展開しているSuper Storeは,売場面積約3,000uに,日用的な食品と雑貨に特化した専門特化型業態である。
◆米国トイザラス−−身売り
米玩具小売大手のトイザラスは05年3月,投資会社のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)とベイン・キャピタル,不動産会社のボルネード・リアルティー・トラストの3社で構成する企業連合に約66億ドルで身売りすることで合意したと発表した。
日本トイザらスは,米トイザラス社の売却に関連して,筆頭株主が異動しても,日本でのトイザラスブランドを高めるための事業活動を継続することに変更はないとしている。
◆関西にも進出、国内5店舗となったスウェーデン発家具チェーン「IKEA(イケア)」
日本に出店して4年目のスウェーデンの家具チェーン店 IKEA(イケア)。08年関西に出店し,4月にポートアイランド店(神戸市中央区)、8月に鶴浜店(大阪市大正区)をオープンした。11月オープンの新三郷店(Phote 埼玉県三郷市)は国内5店舗目。
関西1号店となったポートアイランド店はオープン初日に約3万6000人が押し寄せた。開店前に約450人が並び、14時半からは入場制限をかけたほど。行列はその後も続き、オープン3カ月で100万人を突破。
人気の理由は、低価格でありながら品質やデザイン性が高い点。実際のコーディネート例を見られるショールームも好評だ。なかでも、カラフルな色使いが印象的な子供部屋の人気が高いという。