流通講座

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 ビジュアル 流通の基本 (日経文庫) (1000円)は,流通に関する基本知識,また今日的な話題と『ビジュアル 流通の基本」は,第1版1994年発行,これまでに発行部数10万部を超えるロングセラーです。

・4版『流通の基本』     日本経済新聞出版社 2008年2月
・3版『流通の基本』     日本経済新聞社 2002年/05
・2版『流通の基本』     日本経済新聞社 1997年10月
・1版『流通の基本』     日本経済新聞社 1994年7月


 4版発行にあたっては,少子高齢化時代の到来と人口減少,改正まちづくり三法施行にともなう大型店の出店規制,グローバル化の進展と「IT革命」ともいわれるIT技術の進展といった流通をとりまく社会構造の変化を踏まえ,消費財と工業財の流通を区分して考察するなど,内容を大幅に刷新しました。



流通とは−流通の定義−流通とマーケティングの違い


 「流通」という言葉の持つ意味は,時代と共に変化しています。1960年代は,流通(distribution)とマーケティング(maketing)は,ほぼ同一の概念と捉えられていました。
 現在,「マーケティング」は,製造業者,流通業者といった売り手が行う,“市場ニーズを知り,それに対応しての売れるしくみづくりに関する企業単位の活動”,と定義されます。
 対して,「流通」の概念は,“生産から消費に至る商品の流れと,これに関連しての物資の安定供給や価格の安定といった政府の政策決定にかかわる活動領域”までを指します。
 言葉をかえると流通は,国民経済の観点,マーケティングは企業それぞれの活動の観点からの概念であります。

1-1  流通とは−−生産と消費を結ぶ諸活動


 生産者によって作られた製品が,消費者の手元に渡るまでには,@生産時点と消費時点がずれているという時間の隔たり,A生産地と消費地が離れているという場所の隔たり,B生産する人と消費する人が違うという人の隔たり,の3つの隔たりがあります。この生産と消費の間の時間,場所,人の3つの隔たりをとり結び,生産から消費へ向けて品物が流れる一連の活動が流通です。

 たとえば,農家で栽培・収穫されたキャベツやレタスは,生産地のJAや出荷組合に集荷され,消費地の卸売市場に運ばれ,そこでセリにかけられます。そして,仲卸業者などを経由して,スーパーや青果店の店頭に並び,消費者の手に渡るという手順をとります。この一連の流れが,キャベツやレタスという商品の「流通」というわけです。

 そして,時間,場所の隔たりを取り結ぶのが,商品の運送,保管といった物的流通(物流)と呼ばれる活動です。そして,商的流通(商流)と呼ばれる商取引により,生産者と消費者との人的な隔たりが結ばれます。
 この一連の活動に携わるのが流通業者です。狭義の流通業者は,問屋,小売業を指します。広義には,運送業者,ネット販売に関係する情報事業者などを含みます。

 小売業や卸売業は,生産者から消費者に円滑に商品を供給する橋渡し,パート・アルバイト従業員を中心に多くの人に働く場を提供するなど,日本経済の発展に貢献してきました。
流通が経済の中に占める比重も大です。総務省労働力調査(07年)』によると,就業者6424万人のうち,卸売・小売業,飲食店就業者は,1233万人と,19%と製造業とほぼ同数の割合を占めます。また,家計消費支出は約300兆円,小売業販売額が約135兆円と,その動向が経済に及ぼす影響は大きいものがあります。          

1−2 日本経済と流通 −−流通は社会の現況を写し出す鏡


 戦後の流通政策は,1974年施行の大規模小売店舗法(大店法)と許認可制度に代表されるように,一貫して中小商店の保護・振興の立場を取ってきました。しかし,1989年から90年にかけての「日米構造協議」で,政策転換が図られました。
 その象徴が大店法にかわって施行の大店立地法です。この法律は,大店店中心のまち作りへの政策転換を示すものです。
 しかしながら,市場経済と小規模域商業との調和は実現せず,「商店街の歯抜け現象」という言葉に示されるよう,零細商店の衰退は止まりません。1982年に従業員2人以上の商店数は103万6千店ありましたが,04年には53万9千店にまで減少しました。
 
 一方,イオン・ダイエー連合,セブン&アイ・ホールディングス(HD)といった巨大小売業グループの出現は,小売り側がメーカーとの価格決定の駆け引きで優勢に立つことを意味します。巨大な購買力を武器に仕入れ価格の引き下げを実現すれば,店頭での値下げを通じて消費者からの支持を得やすく,メーカーにとっては大きな脅威となります。すでに家電量販店業界,ドラッグストア業界でも同様の動きが加速しており,「川下主導の時代」に入りました。

1−3 流通のいま

@流通のいま−−−−小売業界


  国内市場の縮小傾向を端的に示すのが出版市場です。雑誌と書籍の国内販売額合計は1996年の2兆6564億円をピークに2009年は1兆9356億円と27%も減少し,1988年以来21年ぶりの「2兆円割れ」を記録しました。

 小売業界は長らく百貨店、スーパーが中心を占めてきたましが、コンビニエンスストアなどの台頭で百貨店・スーパーの2強状態は崩れました。スーパーの売上高は1997年に17兆円近くになりましたが,総合スーパーの不振でその後は減少傾向。百貨店もピークの91年に約9兆7千億円に達しましたが、バブル崩壊後はじり貧です。

 一方、90年代にはコンビニが拡大し、専門店業態では家電量販店がヤマダ電機など主要社で6兆円超の市場を形成しています。衣料品のユニクロ,しまむら,家具販売のニトリといった「自社オリジナル企画ブランドによる製造直売専門店SPA(製造小売)業態の専門店」も、低価格の独自商品を武器に実績を伸ばしています。  

 日本フランチャイズチェーン協会発表のコンビニエンスストア11社の2008年の年間売上高は7兆8566億円と,百貨店売上高(7兆3813億円)を抜きました。
こうしたことから,今後,コンビニ,専門店へと小売業の主役の座が移り変わっていくと考えます。ここしばらくは,消費の冷え込みを背景に,低価格志向が消費者の支持を得て,着実に業績を伸ばしていくと思います。長期的には,消費者が真に求めているものを探し届けるという新しい戦いを制した企業が生き残ると考えます。


1990年の中頃まで日本の小売業界のリーディング企業は,ダイエー,ジャスコ(イオン),イトーヨーカ堂,西友,マイカルといった総合スーパー(GMS)でした。だが,巨額負債にあえぐ西友は02年,世界最大の小売業である米ウォルマート・ストアーズに実質買収され,マイカルは03年にイオンの傘下入りしました。

 そして04年末,戦後流通業の旗手といわれたダイエーが産業再生機構の活用を決定。民間支援企業に05年3月,丸紅とアドバンテッジパートナーズが選ばれました。07年3月には,イオンの提携がはかられました。

  また,ダイエー同様に経営不振に陥ったそごうは,和田繁明氏の指揮のもと,25店あった店舗を11店に削減,従業員数を約半分にするという荒療治を敢行しました。そして,厳しいリストラを進めた西武百貨店と03年に経営統合し,ミレニアムリティリングとして再出発。さらに05年セブン&アイ・ホ」ルディングスの傘下に入りました。
  
 業態別有力小売企業の経営指標

A2008年3月の「商業販売統計速報」

経済産業省発表の2008年3月の「商業販売統計速報」によると,全国の百貨店とスーパーマーケットを合わせた大型小売店の販売額は1兆7701億円,前年同月比で見ると,1.8%の増加となった。百貨店は7231億円と同1.6%の減少をたどった一方,スーパーは1兆470億円で同4.2%の増加です。

 また,大型小売店を前年同月比(既存店ベース,以下同)では,0.2%の増加となりました。百貨店は同1.2%の減少,スーパーは同1.2%の増加です。商品別では,衣料品が同1.8%の減少,その他が同1.8%の減少でしたが,飲食料品は同2.6%の増加となりました。

 百貨店の主力商品である衣料品は,その他の衣料品が前年同月比3.6%の減少,身の回り品が同2.7%の減少,婦人・子供服・洋品が同1.9%の減少,紳士服・洋品が同0.8%の増加となったため,衣料品全体では同1.8%の減少となりました。

 スーパーの主力商品である飲食料品は,前年同月比2.9%の増加であるが,衣料品は,その他の衣料品が同4.7%の減少,婦人・子供服・洋品が同2.2%の減少,身の回り品が同2.0%の減少,紳士服・洋品が同2.4%と増加したことから,衣料品全体では同1.6%の減少にとどまった。

 同時に発表されたコンビニエンスストアの商品販売額及びサービス売上高は,6301億円で前年同月比1.2%の増加です。

 商品別には,ファストフード及び日配食品が2280億円,前年同月比1.0%の増加,加工食品が1988億円,同0.7%の増加,非食品が1766億円,同1.4%の増加したことから,商品販売額は6035億円,同1.0%の増でした。サービス売上高は267億円で同5.2%の増加となりました。

 なお,小売業全体の販売額は,前年同月比1.1%増の12兆2060億円です。

関連リンク:(イトーヨーカ堂のホームページ)
         営業利益

産能マネジメントスクール
 −新エリアマーケティング実践−小商圏市場戦略を考えるー 




第57回 2013年09月10日〜11日
第58回 2013年12月11日〜12日
第59回 2014年09月01日〜02日
第60回 2014年12月09日〜10日



1.支店・営業所のエリア単位での市場分析と、それに基づく具体的な営業計画の立て方を学ぶ
2.現在のエリア営業戦略の適合性、妥当性を検証するための手段を学ぶ
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  お問い合わせ先:産能マネジメントスクールへ 0120−113644
  会場(東京・代官山)         
   セミナー Q and A (セミナーで何を知り,実務にどのように役立つか)

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小林 隆一
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