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買物弱者(難民)問題への対応

 
  過疎地帯のみならず,東京などの大都市に住んでいるのに,食品や日用品の買い物に困る「都会の買い物弱者(難民)」が増えています。
 農林水産政策研究所が2011年にまとめた推計では,自宅から生鮮食品を扱う店舗まで500メートル以上あり,自動車を持たない高齢者は全国で350万人います。このうち4割の140万人は東京,大阪,名古屋の3大都市圏の在住者です。
 また,東京・港区が2011年,区内の65歳以上の一人暮らし高齢者約4000人に行った調査では,「近くに店がない」「重いものを運ぶのが大変」「一人で外出するのが困難」など,約4割が買い物に何らかの困りごとを感じていた,との回答を寄せています。
 こうした状況を受けて,自治体も生鮮食品を扱う商店などが減り,一人暮らしの高齢者らが不便を感じる地域が増えているとして,支援に乗り出しています。



1 「買物弱者(難民)」問題の背景


  日本の人口構造の高齢化は極めて急速に進んでおり,高齢化率(65歳以上の人口割合)は,急上昇し約23%と,世界最高水準となりました(総務省統計局「人口推計月報」2010年2月概算値)。
 高齢化率は,さらに数十年間は上昇が見込まれていることから,まさに「超高齢社会」の到来です。こうした状況のもと,地方,大都市を問わず,食料品など日常の買い物に不自由する人が続出し,「買い物弱者」問題がクローズアップされています。
 

 07年の全国の商店数は約114万で,25年間で3割以上も減少しました。その一方,大規模店は増加しており,中小店の撤退・閉店はとまりません。売り上げ不振から,身近な店が消えていく傾向は強まりそうです。さらに,地方の衰退と,大都市商圏の拡大から地方の市場が狭まるなかで,過当競争と消費不況の嵐が吹き,今後,地方では郊外ショッピングセンターの撤退が本格化すると予想されます。
 例えば仙台商圏の脅威にさらされる山形県では,酒田市,鶴岡市のJR駅前のショッピングセンターが閉鎖,県都山形市では,2000年以降,山形ビブレ,山形松坂屋など4つの大型店が撤退と,中心市街地からの大型店撤退が相次ぎ市街地の空洞化が止まりません。

 こうした店舗の撤退・閉店で家から徒歩で行ける小売店がなくなり,といって車の運転ができず家族の支援も得られないことから,食料品など日常の買い物に困る高齢者が増えています。経済産業省推計によると全国で約600万人を超えるともみられる買い物に不自由する人たちは,「買い物弱者」あるいは「買い物難民」と呼ばれています。
 問題の背景には,商店の減少とともに,少子高齢化,核家族化の進行があり,事態はさらに深刻化しています。

 

 こうした現象は少子高齢化が進む過疎地だけでなく,都市部でも増えています。現在高齢化率の比較的低い大都市圏においても,局地的に高齢化率の高い地区があります。その典型例が,1960〜70年代に造成されたかつての「新興」住宅地や,公営住宅・旧公団住宅といった団地です。これらの地区は,いずれも市内の他の地区に先行して高齢化が進行しており,高齢者を中心に買い物に不自由する“買い物弱者(難民)”が増えています。

 

 

     関連リンク:(イトーヨーカ堂のホームページ)
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2  秋田市にみる先行事例


 人口減少,そして高齢化率の上昇の著しい秋田市における,「買い物弱者」問題は,この問題の先行事例ともいえます。

 秋田県の人口は,1982(昭和57) 年以降減少傾向にあします。秋田県は出生数が死亡数を上回るという自然増の状態が長く続いてきたため,社会減をある程度カバーすることができましたが,1993(平成5)年には死亡数が出生数を上まわり,自然減に転じました。ここ数年は出生数の減少が著しく,自然減は増大傾向にあります。

 2012(平成24)年7月1日現在,秋田県の高齢化率(総人口に占める満65歳以上の割合)は30.4%と,前年の同時点と比べて0.8ポイント上昇しました。
 また,65歳以上の高齢者だけの世帯数は96,408世帯,総世帯数に占める割合は24.6%である。そのうち高齢者のひとり暮らし世帯数は52,289世帯で,総世帯数に占める割合は13.3%となっています。。
 
 秋田市は秋田県のほぼ中央部に位置する。人口は約32万3,000人余りで,東北では仙台市に次ぐナンバー2の県庁所在都市です。。
 秋田市は秋田県の人口の約3割,県内総生産の3分の1を占め,県内および北東北の拠点中核都市である。就業者の7割以上が商業やサービス業などの第3次産業に従事しており,商業都市的要素の強い街です。

 秋田市が実施の「買い物環境に関するアンケート調査」(調査実施期間 2009年9月7〜25日 サンプル数 65歳以上の秋田市民1192人)。

・調査実施期間:2009年9月7〜25日で,65歳以上の秋田市民1192人が回答
・担当:秋田市商工部商業観光課

◆買い物環境に関するアンケート調査目的 
 高齢化の進展に伴い,移動手段が徒歩に限られ,お住まいの近隣でしか買い物ができないかたが増えています。
 こうした中,地域商店街の衰退や店舗の廃業などにより,食料品など日用必需品を購入することができる,地域に根ざしたお店が減少しており,今後日常の買い物に困るかたが高齢者を中心に増加することが予想されます。
 本市では,こうした人々を「買い物難民」と称し,問題の解決に向けた対応策を検討していきたいと考えています。
 そのためには,まずは現状を把握し,課題を整理する必要があることから,「買い物環境に関するアンケート」を実施しました。

◆ 【買い物の際に困っていること】 (2つまで選択し回答)
・「特になし」(44.4%)
・「徒歩圏内に行きたいお店がない」(33.5%)
・「家族の協力がないと行きたい時に買い物ができない」(23.6%)
・「重い物が持てないため一度に少量しか購入できない」(20.2%)
・「車や自転車の運転がしんどくなってきた」(9.6%)
・「車がない」(8.8%)
・「買い物を手伝ってくれる家族等がいない」(7.3%)
・「その他」(5.4%)
・「バス・鉄道の乗降が体力的にきつい」(2.8%)

 最も多かった回答は,「特になし」44.4%で,次いで「徒歩圏内に行きたいお店がない」33.5%,「家族の協力がないと行きたいときに買い物できない」23.6%,「重い物が持てないため1度に少量しか購入できない」20.2%となった。
 一方,最も少なかった回答は「バス・鉄道の乗降が体力的にきつい」の2.8%である。

◆ 【買い物環境の改善に必要なこと】  (2つまで選択し回答)
・「特になし」(43.0%)
・「近隣への店舗の誘致」(27.3%)
・「家族の協力」(20.1%)
・「公共交通機関の充実」(14.5%)
・「宅配サービス」(14.2%)
・「お店への送迎サービス」(12.4%)
・「移動販売車・移動スーパー」(10.3%)
・「介護ヘルパーなどの支援」(3.6%)
・「その他」(2.7%)
・「近隣住民の協力」(2.1%)

 この設問では,買い物環境の改善に必要なことについて聞いている。最も多かった回答は,「特になし」43.0%で,次いで「近隣への店舗の誘致」27.3%,「家族の協力」20.1%,「公共交通機関の充実」14.5%となった。一方,最も少なかった回答は「近隣住民の協力」2.1%となった。

◆ 【買い物環境の向上についての自由回答】  (具体的な意見の主な例)
・バス料金が高い。増便してほしい。
・中心市街地内に循環バスを走らせてほしい。
・市内の主な商業施設をまわるバス路線が出来ないものか。
・どこへでも駐輪(自転車)できるまちにしてほしい。特に秋田駅周辺。
・近所のスーパーマーケットが撤退してしまい,徒歩圏内で食料品を購入できるお店がなくなってしまった。
・団地内に住んでいるのだが,お店がどんどんなくなり買い物が不便だ。団地内にスーパーマーケットがほしい。
・近くに高齢者向けのサービス・品揃えを行うコンビニエンスストアがほしい。
・個人商店は鮮度や品揃えが悪く,値段も高い。
・秋田駅周辺に無料駐車場がほしい。
・今は運転できるからいいが,年々運転に自信がなくなってきた。運転出来なくなったときに日常の買い物が満足にできるのか心配だ。
・現在お店で購入した商品を宅配してもらっているが,お店に行かず電話やFAXだけで注文できるようになると嬉しい。


3  政令指定都市で高齢化率が最も高い北九州市の事例

 
 かつて日本の高度成長を支えた北九州市に急速に押し寄せる高齢化の波は、「買い物難民」や孤独死といった問題を生んでいる。
 北九州市の高齢化率は24.7%で、全国の19政令指定都市の中で最も高い。近所から小さな商店が消え、車を運転できない65歳以上の高齢者らが日々の買い物に困る「買い物難民」と呼ばれる現象が、市内のあちこちで目立ち始めている。お年寄りが暮らしやすい街をつくることは市政の大きな課題となっている。

 

「出張市場」オアシス市場:??北九州・門司の市営団地

 北九州市に急速に押し寄せる高齢化の波は、「買い物難民」や孤独死といった問題を生んでいる。そんな中、同市門司区の市営団地で昨年始まった出張市場のオアシス市場が県内外から注目を集めている。
 オアシス市場
は2012年6月から毎週火曜、旦過市場の鮮魚店と精肉店が開く「出張市場」である。1959年に入居が始まった同団地は、スーパーが約500メートル先にあるが、帰りは上り坂が続くためタクシーを使う高齢者も少なくない。典型的な「買い物難民」地区である。
 そこで,週1回、北九州市小倉北区の旦過市場の鮮魚店などが団地内に出向く「オアシス市場」が開かれている。市場を始めた当初は採算面が心配されたが、客単価が高いことから採算はとれているという。






4 買い物弱者(難民)対策−首都圏自治体の対応


 地方の過疎地帯のみならず,東京などの大都市に住んでいるのに,食品や日用品の買い物に困る「都会の買い物弱者(難民)」が増えています。
 農林水産政策研究所が2011年にまとめた推計では,自宅から生鮮食品を扱う店舗まで500メートル以上あり,自動車を持たない高齢者は全国で350万人います。このうち4割の140万人は東京,大阪,名古屋の3大都市圏の在住者です。
 また,東京・港区が2011年,区内の65歳以上の一人暮らし高齢者約4000人に行った調査では,「近くに店がない」「重いものを運ぶのが大変」「一人で外出するのが困難」など,約4割が買い物に何らかの困りごとを感じていた,との回答を寄せています。
こうした状況を受けて,自治体も生鮮食品を扱う商店などが減り,一人暮らしの高齢者らが不便を感じる地域が増えているとして,支援に乗り出しています。

◆東京都港区
 港区は高齢者の買い物支援事業を2012年7月から始めました。オフィスビルが増えた一部地域での試みで,一人暮らしの高齢者か高齢者のみの世帯が対象。野菜や米,水,トイレットペーパーなどをファクスなどで注文してもらい,区内の商店街から商品を調達。地元の福祉施設で月2回,配布する仕組みです。
 利用料は1回50円。さらに受け取った商品を地元のシルバー人材センターの会員が自宅まで一緒に運んでくれるサービス(50円)もあり,住民同士の交流も促しています。

◆東京都練馬区
 練馬区は2012年9月から,高齢者のほか,乳幼児を抱える主婦らも対象とし,駅から離れた一部の住宅地に限定し,生鮮食品などを販売し,住民の交流も図れる「コミュニティショップ」の開設を支援。さらに電動アシスト付き3輪自転車で移動販売や商店街への送迎をするNPOなどへの支援事業も始めるました。

◆千葉県浦安市
 浦安市は2012年,市内の福祉施設で地域の高齢者を対象に,地元の商店が米や酒類を出張販売する試験事業をスタートしました。

◆千葉県野田市
 野田市は生活協同組合パルシステム千葉との協働事業で,移動販売車「まごころ便」を2013年1月28日より実施。
 日常生活圏に買物できる場所や,移動の交通手段がなく,日々のお買い物に不便を感じている高齢者世帯などを支援することが目的としています。
 野田市内を縦断する国道16号の東側(関宿・川間・東部・福田の地区)を中心に,個人商店への影響に配慮した3つのコースを週に2日ずつ巡回し,合計37の停留所(自治会館や市有地や民有地など)で,生鮮食料品や惣菜などを2t車両にて販売します。

*参考)大阪府堺市
 堺市では,市と商業者,専門家らが連携し,商店街が行う移動販売にノウハウをアドバイスしている。

5 買い物弱者(難民)対策−地方自治体の対応


■  鹿児島県薩摩川内市 -移動販売事業開始

 鹿児島県薩摩川内市は,買い物に行きづらいお年寄りなどを支援しようと,移動販売車を使った支援事業を2月18日から開始した。旧川内市を中心にした22地区の1002世帯をカバーする。 生活協同組合コープかごしま(鹿児島市)に委託し,冷凍・冷蔵や生鮮食品,日用雑貨など400品目以上を専用車両に積み込み市内を回る。

 移動車は指定された場所で週1回訪れ販売する。市では今後も要望のある自治会を対象に移動販売を実施して,買い物が不便な地域の解消を目指す。
 市では5年間,この事業を試験的に続け,利用状況や既存の商店街への影響などを検証することにしている。

■鹿児島市 ワンコインで高齢者支援,3地域で新サービス 

 鹿児島市シルバー人材センターは,一人暮らしか夫婦二人暮らしの65歳以上の高齢者を対象に,ごみ出しや戸締まりなどのサービスを手ごろな値段で提供する「ワンコインまごころサービス」を,2012年8月から始めた。当面は3地域で試行し,地域内の高齢者同士が支え合う仕組みを整えたい意向。
  10分以内は100円で,ごみ出しや蛍光灯交換,電池交換,台風前の戸締まりに対応。30分以内は500円で,分別してのごみ出しや洗濯物干し,取り入れ,日用品購入などを支援する。3〜4日前の事前申し込みが必要。
 当面は甲南中学校区(荒田1,2丁目,中央町,上之園町,高麗町,上荒田町=一部除く),緑ケ丘団地(緑ケ丘町),西郷団地(西陵1〜8丁目)の3地域をモデル地域に設定し展開。地域内在住の会員がサービスにあたる。 実施状況をみて,今後,サービス内容の追加や地域の拡大も検討する。

■熊本県八代市  ワンコインで高齢者支援

 熊本県八代市シルバー人材センターは,・・・・・(編集中)




6 生協の対応



中山間地で移動販売・宅配サービス広がる

  トラックによる移動販売や食事宅配など,中山間地や過疎地に住む買い物弱者向けのサービスが中国地方の各地で広がっている。冷凍冷蔵庫を備えた車で食料品や日用品を幅広く提供。焼きたてのパンの移動販売も登場している。高齢化や人口減少が進む地域でスーパーの撤退などによる小売店の減少を補完。地元の高齢者の安否確認などの役割も果たしている。
 食事宅配の動きも広がる。生協ひろしま(広島県廿日市市)は広島市などを対象地域に,1週間単位で夕食弁当の注文を受け付け,栄養バランスに配慮した弁当やおかずセットを届けている。現在の登録者は約3600人。






7 小売業界の対応


 買い物弱者の増加を商機ととらえ,積極的な訪問販売を展開する動きも出ています。中小スーパーを対象とするボランタリーチェーンの全日本食品(東京)は,「買い物弱者」向けスーパーを地方や都市部で10店ほど実験展開したところ好調だったことから,全国展開に乗り出す意向です。福島県ではヤマト運輸と地域のスーパーが手を組んで組織的な宅配サービスへの取り組みも始まっています。和歌山県では食品スーパーのオークワが県と共同で山間地への商品配送を開始しています。今後も高齢化や過疎化の進展で「買い物弱者」の増加は確実であることから,住民サービス向上につながる新ビジネスだけに,参入が相次ぎそうです。
 
 小売り各社はこうした消費市場の隙間に事業機会を見いだそうとしている。採算が悪くても利用者の利便性を優先し、企業の評判を高める狙いもあるようだ。


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┗■  セブン&アイ・ホールディング
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■  イトーヨーカ堂  長野県坂城町で移動販売をスタート
. セブン&アイ・ホールディングス傘下のスーパー「イトーヨーカ堂」は,全国初の試みとして2011年11月から坂城町で専用車両による移動販売を始めた。坂城町は「町の高齢化率は3割近くで,山間部が多い地域である。

 イトーヨーカドーアリオ上田店から専用の3トントラックに生鮮食料品など約500品目を積み,月,木曜は南条地区を中心とした公民館3か所で,火,金曜は坂城地区の公民館など4か所で,30分程度販売する。価格は店頭と同じで数量限定の安売り商品は扱わない。

 車内にパソコンも置き,主にお年寄りを対象にインターネット通販を受け付けるほか,従業員が客から注文のあった商品を次回に移動販売する。

■ セブンイレブンも長野県坂城町で移動販売をスタート 

 セブン―イレブンは,移動販売でコンビニ業界の先陣を切っている。 同社は,2011年5月から茨城県城里町でセブンあんしんお届け便を始めている。2012年6月19日現在,移動販売サービスを全国1道10県14店で19台を展開している。

◆長野県坂城町,長和町での移動販売

 セブン―イレブン信州鞍掛店も2011年11月から,坂城町で,軽トラックを利用した移動販売を始め,弁当や総菜,菓子などを中心に150品目を販売している。。
 また,同年12月にイトーヨーカドーは長和町で,セブン―イレブンは東御市でも移動販売を始めた。

◆熊本県芦北町で7月から,移動販売がスタート
 2011年8月にセブン―イレブン・ジャパンとあしきた農業協同組合(JAあしきた,熊本県芦北町)は,移動販売サービスをスタートさせている。地域の高齢化が進んでいることなどを踏まえ,軽自動車に商品を積んで巡回販売している。地域ネットワークを低コストで維持したいJAあしきたと,人口の少ない地域での新たな出店形態を探るセブンイレブンの思惑が一致したもの。
  このサービスは「セブンあんしんお届け便」。コンビニエンスストアで取り扱う食品や生活雑貨など約150品目のほか,農産物など約50品目も販売する。同県の水俣市,芦北町,津奈木町が対象地域である。
 JAあしきたがサービス運営会社を設立し,セブンイレブンと契約。販売車両はセブンイレブンが開発し,2台を導入した。

◆滋賀県
 セブン―イレブン・ジャパンは,2012年6月,滋賀県東近江市と愛荘町の一部で,本格的な移動販売を始めた。高齢化が進む地域で買い物弱者を支援し,需要掘り起こしを狙う。同社として関西では初の取り組みである。
 サービス名は「セブンあんしんお届け便」。東近江市の「セブンイレブン五個荘清水鼻店」が販売にあたる。専用軽トラックにショーケースを設置し,弁当や飲料,日用品など約150種類の商品を積載。冷凍庫や電子レンジも設置,冷凍食品にも対応する。要望に応じて販売商品を入れ替えていく。
 老人ホームには毎日,地域の集会場や事前に連絡のあった個人宅は平日に限って訪問。1日10カ所程度を巡回する。巡回中の移動販売車を呼び止めて商品を購入することもできる。

■  「業界初!お届けサービスに「超小型電気自動車」を採用」

 株式会社セブン-イレブン・ジャパン(東京都千代田区)は,トヨタグループのトヨタ車体株式会社から発売される超小型電気自動車の新型「コムス」を活用し,セブン-イレブン店内のほぼ全ての食品や日用品等をお客宅や事業所等へお届けする『セブンらくらくお届け便』の運用を2012 年8 月上旬より順次開始。
 流通業界ならびにコンビニエンスストア業界で,店舗からの宅配サービスに超小型電気自動車(EV)を採用するのは初の試みであり,またセブン-イレブン・ジャパンとしてトヨタグループと本格的な連携を図るのも初めてとなる。

⇒⇒プレスリリース「業界初!お届けサービスに「超小型電気自動車」を採用」

 高齢化や人口減?ならびに小売店舗をはじめ様々な拠点数の減?といった社会環境の変化を背景に,日常のお買物をする上で不便・困難を感じておられる方が増加してきている。
 当社では,これまでも所謂「御用聞き」や,お食事お届けサービス「セブンミール」,「移動販売(セブンあんしんお届け便)」等の取り組みを順次拡充してきた。とりわけ,本年5 月より新スキームとして展開中の「セブンミール」は,ご注文500 円以上からお届け無料で配達するサービスが好評である。
 高齢化社会がさらに進展し“店へ買物には行きたいが商品を持って帰るのが大変”“家に運んでくれたら助かるのに”といったお客様の声がより多く寄せられる中,新型「コムス」を活用し,店内の商品をお客様にお届けする新しいお買物支援サービスを順次展開していく。


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┗■  ファミリーマートの移動コンビニ
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 ファミリーマートは,東日本大震災の被災地支援や買い物不便地域での買い物支援などを目的に,2011年9月から移動コンビニ「ファミマ号」の営業を開始している。現在,3t,2t,軽自動車の3つのタイプの移動コンビニ合計6台が営業している。 今後も,営業地域や要望にあわせて,3つのタイプの“移動コンビニ”を稼働させることで,さらに幅広い地域での営業展開を計画している。



◆【移動コンビニ「ファミマ号」概要】

○使用車両
 3tトラック

○主な特徴
 ・常温,定温(16〜20℃),冷蔵(3〜8℃),冷凍(−24℃以下),HOT飲料の販売設備を搭載
 ・専用の発電機を搭載しているため,エンジンを停止しても営業が可能
 ・電子レンジ,電気ポット,手洗い場を搭載
 ・お買い物のしやすさを考慮し,出入り口となる昇降ステップを2箇所設置
 ・リフトアップ式の開閉扉を採用することで,屋根としても活用が可能

○主な取り扱い商品・商品数
 おむすび,弁当,パンなどの中食商品,カップ麺,調味料などの加工食品,文房具などの日用雑貨など,約300種類


■  福島件川内村での移動販売
  原発事故で避難した住民の帰村を呼びかけている福島県川内村で,日々の買い物が不便だという住民からの声を受け,ファミリーマートによる移動販売が始まった。原発事故で役場ごと避難した川内村は,2012年4月から全域で立ち入りができるようになり,およそ3000人いた住民のうち3分の1がこれまでに戻っている。
 だが,13あった生鮮食料品店のうち,営業しているのは7店舗で,住民からは日々の買い物が不便だという声が出ていた。
 こうした声を受けて,大手コンビニチェーンのファミリーマートが,村役場の駐車場で週2回の移動販売を今月から始めた。 移動販売車には弁当や日用雑貨などおよそ300種類の商品が積まれていて,その場で電子レンジを使って商品を温めることもできる。


■ 鹿児島市 ファミリーマートが宅配サービス開始
 ファミリーマートが食品や日用品など45品目を弁当とともに宅配するサービスを2012年12月から鹿児島市で始めた。前日に電話などで注文すれば翌日に商品が届けられる仕組みで,今後,宅配エリアを広げることも検討している。
  鹿児島県内では,すでにイオンや地元スーパーの山形屋ストア,タイヨーといったスーパー各社が買い物に行きづらい高齢者などを取り込もうと宅配サービスを行っていることから,今回のコンビニチェーンの参入競争にさらに拍車がかかりそうである。


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┗■ 中国地方の小売り各社、店舗外で販売拡充
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 中国地方の小売り各社が店舗外の販売サービスの拡充を図っている。マックスバリュ西日本は消費者の自宅を訪問し注文を受けるサービスを拡充する。コンビニエンスストアのポプラは移動販売車による販売地域を広げる。山間部など買い物が不便な地域で過疎化や高齢化が進み、買い物に不自由する消費者が増える傾向にあることに対応。需要の取り込みを狙っている。

 マックスバリュ西日本は末武店(山口県下松市)を拠点に、担当者が自宅を訪問して注文を受けて商品を宅配する「くらし便」を3月下旬から始める。兵庫県姫路市ですでに展開するサービスを山口県でも導入する。

 指定された時間に担当者が消費者宅を訪れ、タブレット端末で注文を受け付ける。原則として店舗と同じ約1万2000点の商品から注文でき、地域によっては商品を当日配送する。新サービスの導入で末武店の売上高を1割程度増やすことを目指す。利用状況を見ながらサービスの内容を改善し、年内にも広島県内で始める方針だ。

 ポプラは4月にも鳥取県で移動販売車の対象地域を拡大。5月には島根県での導入を目指す。扱うのは加工食品やお弁当、冷凍食品など150〜200点で店舗の品ぞろえから売れ筋商品を選んで提供する。現在は車両の整備費用などで採算がとれないが、今年上期に損益分岐点の達成を見込んでいる。

 生活協同組合ひろしま(広島県廿日市市)も移動販売車の展開地域を13年度中にも広げる。現在は広島市内の2地域(佐伯区と安佐北区・安佐南区)に1台ずつ配置し、日曜日を除く週に6日、毎日場所を変えて週ごとに合計70カ所程度を巡回している。移動販売車には冷蔵のショーケースも備え、野菜などの生鮮品も扱う。新たに進出する地域では事前の注文や宅配といったサービスの追加を検討中だ。

 中国5県の過疎化は深刻だ。過疎地がある自治体で組織する全国過疎地域自立促進連盟によると、島根県は過疎状態にある市町村が占める割合が79%で47都道府県中トップ。広島県でも39%と比較的高い。過疎地域は消費者が少ないため、小売事業者が撤退して日用品などの買い物が不便な地域になりやすい。

 






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┗■ スーパーのサニーマート 地域連携の取り組み 

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 高知県の人口76万人,高齢化率は全国3位の28.8%。少子高齢化では「全国でも10年先を行く」。サニーマートは,高知におけるシェア一位の食品スーパー。サニーマートでは経営方針として「地域密着」「食育」「環境」 の三つを掲げ,地域連携の取り組みを行っている。
 サニーマートは現在,高知県を地盤に香川,愛媛両県を含めて直営で24店舗を展開している。このほぼ全店に料理アドバイザーコーナーが設置されており,各店専任の担当者が毎日のレシピを自ら作成。高齢者や若い主婦など,様々なお客とコミュニケーションをとりながらメニュー提案を行っている。ものを売ることが一番の目的であるメーカーマネキンとは異なり,料理アドバイザーは「サニーマートという信頼を売っている」。言わば店とお客との架け橋的な役割を担っている。



7 JAの対応


■  移動販売車運行始める 鹿児島市
 鹿児島県内のJAと県経済連,Aコープは2012年8月,高齢者など買い物弱者を対象とした移動販売車の運行を始めた。冷蔵設備のある2トントラックに,生鮮食料品や日用品など約400種類を積んで販売する。
 販売車は「走るA・コープ笑味(えみ)ちゃん号」と命名。当面は鹿児島市で平日のみ運行。吉田や下福元など同市内の北部と南部地域を5コースに分け,日替わりで巡回する。事業費は1400万円。県経済連生活課によると,3年後をめどに軽トラック8台を追加し,県内全域で運行する。
 

■ JA南さつま  移動販売車で買い物支援,高齢者多い地域巡回 

 JA南さつまは,管内で移動販売車の運行を2012年8月に開始した。高齢者など買い物が困難な「買い物弱者」支援策として巡回し食料品,日用品などを販売する。
 移動販売車は冷蔵庫を搭載した軽トラック1台で,「ふれあい号」と命名。 同JAの管内は,南さつま市の約35%など高齢化率の高い地域が多く,店舗に来られない人が多い。また,移動販売で安否確認の役割も担い,地域とJAのつながりを深める事業として取り組めると導入した。
 青果,精肉,鮮魚などの生鮮品のほか食品,日用雑貨など100〜150種類を扱う。月曜日から金曜日まで加世田,枕崎,坊津,川辺,知覧の各支所の各管内を日替わりで回る。
 商店が少なく比較的高齢者の多い地域や住民の要望があった場所などを中心にコースを選定した。運行状況を検証しながら,エリア拡大や巡回頻度などを見直していく。



買い物弱者が多く住む地域を巡回するコープの移動店舗の「ふれあい便」の完成を祝うテープカット=袖ケ浦市で








 高齢化の進展に伴い、近くに商店街がないなど「買い物弱者」と呼ばれるお年寄りらの支援が課題となる中、袖ケ浦市を拠点とした移動店舗サービスが、五日から始まる。千葉、東京、埼玉の一都二県で展開する「コープみらい」(本部・さいたま市)が、袖ケ浦、木更津、君津、市原の各市を対象エリアに行う。拠点となるミニコープ蔵波店(袖ケ浦市)で四日、移動店舗がお披露目された。 (福原康哲)


 移動店舗は二トントラックを改造した。冷蔵ケースを備え、生鮮食料品を中心に野菜、果物、雑貨など五百〜七百品目を積む。対象エリアは蔵波店から一時間圏内を想定。物品販売だけでなく、地域の交流の場となるように「ふれあい便」と名付けられた。


 コープみらいは三月、一都二県の三つのコープが合併して発足したばかり。コープ担当者が合併前にあいさつに訪れた際、袖ケ浦市が買い物に行けない高齢者が住む地域が増えている問題への対策、協力を呼び掛けた。これを機にコープみらいは社会貢献として一都二県で初めての試みで、移動店舗の車両をつくった。


 同市は一九七〇年代からの海岸埋め立てで京葉工業地帯となり、市内で宅地造成が進んだ。しかし、年月も経過し、マイホームを購入した世帯では子どもも独立。地域によっては急速に高齢化が進み、人口が減少している。さらに大規模店との競争で店を閉める個人商店や、バスなど公共交通機関の衰退も拍車をかけ、遠くの店まで買い物に行けない高齢者が増加している。


 蔵波店で四日にあったお披露目には、出口清市長らが出席し、テープカットなど完成を祝った。販売車両は袖ケ浦市花房平地区の自治会と合意した車両の駐車できる四カ所のスペースで五日から営業を始める。今後、買い物が難しい高齢者が多く住む自治会など交渉し、駐車スペースなどが確保できれば販売車両を巡回させる。


>>>東京新聞 食材宅配サービス

  

 子育て中のお母さんやお年寄りなど買い物弱者の強い味方、食材宅配サービス。オリコン(利用経験者4632人、1月11日〜14日調べ)による人気3社は食材の産地や品質のほか、放射能検査結果などを公開しており、食の安全性も確認できる。

◆瓶入りの牛乳豚肉など人気

 生活クラブ 始まりは1965年、「安全な牛乳を飲みたい」と主婦たちの共同購入から。今でも、72度15秒間殺菌「パスチャライズド牛乳」(900ミリリットル、273円)は自慢の商品。容器は瓶で回収制、マヨネーズなどの瓶も同様。豚肉は、飼料米などで育つ「平牧三元豚」。柔らかくて独特の甘みが特徴だ。添加物を極力使用しない食品や合成洗剤を追放したせっけんの普及にも努める地球環境にやさしい全1800品目を揃(そろ)える。

◇生活クラブ。出資金:毎月1000円、情報誌100円(地域などにより異なる)。問い合わせ=(電)03・5285・1771

◆2000品目以上豊富な品揃え

 コープデリ 食品・日用品など、プライベートブランドや一般商品を含む2000品目以上の豊富な品揃え。人気は、ひき肉を急速冷凍し、使う分だけ取り出せる「豚挽(ひき)肉パラパラミンチ」(150グラム、198円)や、子どもや年配者に安心な「三陸産骨取りさばの味噌(みそ)煮」(2切れ入り、380円)など。使用頻度の高い牛乳や卵などは、登録すれば自動注文ができるシステムや、暮らしに役立つさまざまな付帯サービスも充実。

◇コープネット事業連合。配達手数料189円〜(地域などにより異なる)。決まった曜日に注文&配達。問い合わせ=(電)0120・043・502

◆無農薬野菜や有機食材充実

 大地を守る会 1985年に日本初の有機食材の宅配サービスを開始。独自基準を設け、出荷する野菜の大半(75%)は無農薬。加工食品も国産原材料を使用し、化学調味料は不使用。食品添加物も最小限しか使用していない。お薦めは、季節の野菜・果物が入る「ベジタ」(1400円〜)や、仕込みから熟成まで1年以上をかける天然酵母の「醤油(しょうゆ)」(900ミリリットル、960円)など。入会金・年会費無料のウェブストアもある。

◇大地を守る会。預託金5000円、年会費1000円。配送料210円(指定地域)。ウェブストアは全国配送。問い合わせ=(電)0120・158・183




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